偲慕情

偲慕情

誰の為に何が出来るかを考えている
誰かが洩らす溜め息を聞き
誰かの表情が曇るのを視て
誰かの挙動がいつもと異なるのを察している

誰にでも優しく強く在りたい
誰にでも真心を隠したくない
誰にでも労わりの言葉を忘れずにいたい

君の為に何が出来るかを考えている
君が好きな曲に感傷を聴き
君の微笑みの陰に苦しみを看て
君の仕草が隠し切れない乞いしさを包み込みたい

君にだけは素直で在りたい
君にだけは恋慕を隠したくない
君にだけは愛のことばを囁かずにいられない

君がいつか疲れ切って
着替えも他所に眠るならば
慈しみをしのんで
傍でしずかに子守唄を

君の柔らかな髪を梳いて
ふやけた表情が傾いたならば
愛しさをしのんで
傍でしずかに眠ろう

偲慕情

偲慕情

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-09-01

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