ひまわり

No.1*

物心ついた頃からあたし、小野真央は大人しい…いや大人しすぎる女の子だった。

ただ、一人でいる事だけは嫌だった。

一人は悲しいよ、寂しいよ。

人は誰だってそう。一人でいる事が好きなんて言っているのは嘘。

まぎれもない嘘だから。

…なんて、あたしの勝手な妄想なんだけど。


幼稚園の時はいつも誰かがあたしの傍にいたけど、小学生からはそんな人はいなくなった。

だからあたしは自分を無理矢理に変えた。

明るい、優しい人を見せようと頑張った。

家で鏡の前で笑顔を作った。毎日笑顔を欠かさなかった。

そしたらあっという間に友達は増えた。

だから小中学生の頃は学校で一人ということはなくなった。


あたしは高校生に進学し、電車通学での遠い学校へ行くことになった。

昔から電車通学というのに憧れていていたからだ。

あたしの行く高校に行きたいという人はいなかった。

だから通学は一人。

都会の電車とは違って田舎の電車だから人はあまりいない。

別に寂しいとかそういうのではなくて。

なんか変な感じだな。

いつも隣には友達がいたから、なのかな。

そんな事を考えていたら、電車のアナウンスが流れ

ドアが開いた。


やっぱりこっちの方は結構人がいるなぁ。

なんて思いつつも今日は入学式なので足早にバスへと乗った。

バスの中は思ったよりも空いていた。

なんか緊張するな…

こういうときはあれをしよう。

携帯をとりだしひそかにやっている携帯小説を書く。

中学生活暇さえあれば小説を書いていた。

恋愛系にしてみたかったけど、恋愛経験0のあたしにそんな無謀なことは無理だった。

だから、いつも書くのはグリム童話にありそうな話ばかりだった。

これはこれで楽しいからいいんだけど。

そうこうしているうちに“桜ヶ丘高等学校”という看板が見えてきた。

携帯小説に夢中で気づかなかったがあたしと同じ制服の人達がたくさんいた。

終点というアナウンスが鳴り響き、

ドアが開いた。

No.2*

ここが今日からあたしの学校なのかぁ。

あたしは成績は良いっていうほど良くはない。

だけど悪くもない、まぁまぁぐらいの成績だった。

だから、県立高校では地味で平凡な「桜ヶ丘高校」にしたのだ。

1年前に建て替えた事だけあって、見た目は綺麗だった。

ずっと田舎住みのあたしにはそれは初めての光景だった。

さて、あたしのクラスは…っと。

掲示板に張り出されていた紙には小田真央1-Bと書かれていた。

っていうか、ここの学校広すぎ。

どこがどこだか分からないし…

方向音痴なあたしは地図なんてもはや無意味だった。

もう、いいや。誰かに聞いちゃおう。

「あ、あの。すみません。1-Bってどこにあるか分かりますか?」

昔から人と話すのは苦手だったあたしだが持ち前の笑顔でなんとか喋ることができた。

「え?あ…えっと。俺もさっぱり…俺、方向音痴で地図とか暗号…」

よ、よりにもよって男の人に聞くとか…何考えてんだろ、あたし…

「あ、もしかしてあんたも1-B?」

「は、はい…」

この人女相手上手そうだな…こういうチャラチャラしてる人が一番苦手なのに…

「んじゃーとりあえず一緒行くか!」

「え?分からないんじゃ…?」

「てきとーに人に聞きながらいけばだいじょぶっしょ!」

・・・・・・・・・

て、てきとーって…っていうか一緒に行くって…

ど、どーいうこと!?

「んーじゃ、あの先輩っぽそうな人にきこーぜ!」

え、えぇ!

初対面だってのにおかしいでしょ、この展開…

いや…これが都会の人っていうものなのかな?

とりあえず、入学式も遅れちゃうし、ついてこう…

ひまわり

はじめまして、るのと申します。

「ひまわり」読んでくださってありがとうございます!

高校生の恋というものをあまり知らなくて難しいですが、

これからも頑張って書きたいと思います!!

これからもよろしくお願いします!(`・ω・´*)

ひまわり

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2012-06-22

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  1. No.1*
  2. No.2*