偽善者

君はいつも優しく僕に声を掛けながら、一人で安全なところにいた。
そうして、後で大丈夫だよ、とささやくのだ。
僕が血だらけで倒れていても何を言っても「大丈夫だよ」ー。
毎日毎日、僕はいつもズタボロだった。
泣きじゃくり教室の隅でうずくまっている僕なんて
何も価値なんてないのに。奪うものなどないはずなのに。
なのに、君はなぜ僕にすり寄るの?
傷だらけの僕の胸に顔を埋め君は笑うのだ。
「大丈夫だよ、私は君の味方だよ。」

偽善者

偽善者

歪んだ絆

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-08-30

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