空飛ぶ女の子

別に何でもいいけどさ。

空中で女子意識がはじける。

27歳、それなりの恰好すれば、まだ見られる。

比較的童顔な私は、いつもはわざと落ち目のすっぴんで過ごし、ここぞというとき化粧をする。
もう、世間の女性扱いやら何やらの他者の勝手な価値観に振り回されるのに疲れたのだ。

今、私の中の女性意識、空中を移動中。

斜め35度くらいから自分を見下ろし、私は低く笑う。
あらあらそんな、お化粧しちゃって。
もう見せる相手もいないのに、と私はなげやりである。

でもまあ、家が栄えるということは、その家の女子が綺麗であるということだから。
それに他人にいくら言われようが、私が過去に栄華を手にしていたのは変えようのないことで。
それなりにプライドを持っている。
大概言うやつと言うのは、大したことない。これ鉄則。

今日もふわふわ、空中を移動。
私の女子力、どこへ行けば落ち着くのか。
未だ不時着せず、適当こいて遊んでいる。

別に、おばさんだろうがお姉さんだろうが、どちらでも構わないのだ。
この年になればみーんな一緒。

あいこでしょっとグーを出す。あかんべえと舌を出す。

そんな小学生レベルの女子力、今日も空中浮遊。

ぷかりぷかりと浮かんでいる。
やがて嵐になるだろう。風に吹かれて飛んでいけ。

私の女子力、遊泳中。
どっかに吹かれて飛んでいけ。

空飛ぶ女の子

世の中に対する偏見です。

空飛ぶ女の子

私の女子力、遊泳中。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-08-25

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