蛍を見ずば
手には団扇を持たされて
髪を結われて ほう紅付けて
可愛い浴衣に帯締めて
下駄を履かされ おんもに出ても
おもしろうなや 楽しくもなや暗闇に
みんなに見える 蛍を見ずば
手を引かれ もう一方の手に綿の飴
人で賑わう川端の お店の傍で夕涼み
おもしろかろな 楽しかろな姉様のよに
救う金魚の 色が見えたら姿を見たら
ぽんぽんと 大きな音がするたびに
人々の声は聴けども 眼を凝らせども
ただ暗闇に どんな色と母様に
聞いてはみても 姉様のよに
この目で みたやなあ夜空に輝く
玉や鍵やの この大花火を
みんなには見える この大花火を
蛍を見ずば