遊歩
揺らめきを飽きもせず
見惚れる君が
揺れて映る目映い世界に
見惚れている僕
戸惑うように
確かめるように
背にそっと添う腕
本当は強くなくても
本当は弱くなくても
木立が、ただ並ぶ
路行く人を見守るために
深い森で光るひと粒の朝露
それでいて、昼寝の好きな猫
何も知らない子供のようで
すべてを見通すフォトンのようで
透き通る羽を丁寧に伸ばしたなら
オフィスには磨いたガラスの靴
こんなに罪深いものを落として
僕にこんなあたたかさをくれて
神さまはきっと、どうかしている
たくさんの君を少しずつ集めて
いつか何かになるだろうか
くしゃりと君が笑えばそれだけで
たとえば何にもならなくても
遊歩