遊歩

遊歩

揺らめきを飽きもせず
見惚れる君が
揺れて映る目映い世界に
見惚れている僕

戸惑うように
確かめるように
背にそっと添う腕
本当は強くなくても
本当は弱くなくても
木立が、ただ並ぶ
路行く人を見守るために

深い森で光るひと粒の朝露
それでいて、昼寝の好きな猫
何も知らない子供のようで
すべてを見通すフォトンのようで
透き通る羽を丁寧に伸ばしたなら
オフィスには磨いたガラスの靴

こんなに罪深いものを落として
僕にこんなあたたかさをくれて
神さまはきっと、どうかしている

たくさんの君を少しずつ集めて
いつか何かになるだろうか
くしゃりと君が笑えばそれだけで
たとえば何にもならなくても

遊歩

遊歩

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-08-22

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