泥の中から

分離した彼女は

土着的だ
田舎者だ

黒くて鮮血ではない赤がよく似合う
到底女とは思えないような吠えかたをする

優しさを勘違いし生きてきてしまつた

透明だ
透明だ

遠く見ていた
誰も見ないような遠く 遠くを

私の中で何かが産まれて
愛されずに消えていくのだと云つた

全てをすてた

彼女は
僕で

僕は彼女の一部なのに

泥のなかからまだ
花を咲かすことができない

泥の中から

泥の中から

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-08-12

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