蠍座のα星〜ANTARESと過ごした日〜第1章
序章内容…
自分のノートパソコンに意味不明の現象がおきたネットネーム「アンタレス」は誰かに襲われた。いや、誰かに連れさらわれた?まったく意味がわからないまま気を失う。
気が付いたら、ベッドの上だった。
そして有名な台詞を引用するなら……
「……知らない天井だ」
そう。僕は自分の部屋のベッドで起きた訳ではないらしい。
……そもそも、ベッドではなく布団でいつも寝ているのだが。
「目が覚めましたか?アンタレス殿」
「ここはどこだろう……」
「アンタレス殿、御目覚めのようですね」
「いったい、あの後なにがあった……」
「アンタレス殿!アンタレス殿!」
「う…うーん……まったく、思い出せない。僕はPCのバグかなにかと対抗……」
「アァアアアアンンンンンタァアアアアレエエエエエスゥウウウウウ殿ぉおおおおおおお!!!」
「うぉおわぁ!?」
僕はびっくりしてベッドから落ちた。だっ……誰だろう!?てか、いつからそこにいたんだろう!?考え事してて全然気が付かなかった…。
「自分を認識していただけましたか?」
「えっと……どなたです?」
その男性は僕に『きをつけ』の姿勢で自己紹介を始めた。
「自分は蠍座の恒星の一つ『レサト』の名を授かる者。『レサト・アーゼンシュタイン』と申します。レサトとお気軽にお呼び下さい」
「あの……いろいろとツッコミどころありすぎてツッコミが渋滞を起こしちゃってるんですけど……とりあえず、敬語をやめていただけませんか?」
するとレサトという人は首を横に勢い良く振って慌てて喋り出した。短髪の金髪がピョンピョンとはねる。
「そそそそそそれはできません!アンタレス殿より『明るさ』が足りませんので!しかも、アンタレス殿は救世主様ですから!」
「……いや、でも明らかに僕より年上ですよね?見たところ、23歳くらいですか?僕はまだ16歳なので敬語はちょっと……」
「いや、ですから……そちらの世界でいう『階級』が違うのです!アンタレス殿の方が上なのですよ!」
イマイチ、ピンとこないがとりあえず疑問をぶつけてみる。
「……あの…アンタレスって僕のこと?」
するとレサトは、いったいなにを言っているのか不思議だとでも言いたげな顔をして口を開いた。
「えぇ、その通りです。アンタレス殿とはあなた様のことです」
「いや、僕の名前は……」
と、続きを言おうとしたところで、部屋の唯一のドアが勢い良く開いた。
「にい!目が覚めたのか!救世主(笑)になった感想はどうぐふうあぁあああああ!!!」
…………愚弟だった。とりあえず、抱き着こうとした弟の腹にナックルをキめる。
「なぜ、生きている。貴様の息の根は我が上段回し蹴りで止めたはず」
「ぐふっ……厨2病乙…………『冗談回し蹴り(笑)』の間違いだろう?」
「ならば、今度こそ減らず口をきけなくしてやろう」
知らない場所でいきなり兄弟喧嘩を勃発させる僕達を見てレサトは微笑んで言った。
「救世主殿とその弟殿。そろそろ別室で王より詳しいお話があります。救世主殿の疑問にも全て答えてくれるかと」
「ふむ……王様ねぇ……」
イマイチ、理解できない。王様?てか、ここは日本じゃないのか?でもこの外人のレサトとかいう人は日本語ペラペラだぞ?しかもさっき言った「そちらの世界でいう」ってどういう意味だ。疑問が後からあとから止めどなく溢れ出て来る。
「王様には失礼のないように御願いします。この銀河系で一番『明るい』方ですので」
今度は銀河系?しかも『この』銀河系ときた……。もしかしてここは地球ですらないのか?もう訳がわからない!
とりあえず、その王様とやらにとことん質問攻めにしてやろうと固く心に誓ってベッドから降りた。
「それでは付いて来てください」
さぁ、王様に会うとしようか。
蠍座のα星〜ANTARESと過ごした日〜第1章
序章に続いて、第1章をうp!
はい、お気づきの通り、一つの章はかなり短いです。
理由は「はやく皆様に届けたい」
はい、サーセン。ネタを考えながら書くのがツラいからです←
だけどなるべくはやく続編を書いて行くのでよろしくです!