古風な趣味

東京新聞の300字小説に触発されて

300字小説1

若いのに、少しばかり古風な趣味の姉妹。今、妹の方はソファーで寛ぎ、姉はテーブルについてコーヒーを飲んでいる。
妹は、ふとこんなことを言った。
「昔の歌って、良いよねぇ。」
言いながら、彼女は自分が生まれてもいなかった“昔”に遠く、熱い視線を注いでいる。
「分かる。時間がゆっくり流れているみたいで、好き。」
姉が答える。
「そうそう!やっぱり良いものは色褪せないよ。私はねぇ、あれが好き…ええっと、なんだっけ?」
「どんなの?」
「うーん、ちょっとド忘れしちゃった、なんだった?夫が遠くに行っちゃって、寂しいっていう…」
「ああ、国語の教科書に載ってたやつ?」

「…へ?」

「防人の歌でしょ?」

古風な趣味

300字って、骨子が決まった後、どう肉付けすべきか分かりません 困った困った

古風な趣味

年齢問わず、古めかしい芸術作品に惹かれる人はいる そんな人達の、ちょっとした小噺笑い話

  • 小説
  • 掌編
  • 時代・歴史
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-08-07

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