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その熱で溶かしてほしかった。胸をえぐるぐらいの残酷さで魂ごと食べてほしい。思い出は尽きないね。空に還ることはあっても。果てなどなく歩き続ける。君がいたからゆるせたこと、いっぱいあった。僕のこの好きでもないって気持ちわかってほしかったな。照りつけるような夏の日差しの中でひまわりが燃えている。君が何を見たのか知ることもないから、僕はただの凡人として死ぬ。図録に書いてあることが真実なら教科書は作り変えられたりしないよ。歴史はいつだって嘘のかたまり。その中のお気に入りだけを信じて愛す。ふざけた会話がコミュニケーションだってわかっていても、いまの僕は馴染めないから寂しい。行き交う車の音をBGMにベットの上で目を開けたまま夢を見る。さよならなんて聞きたくない。イヤフォンしたって、悲しみは聞こえてくる。僕のこと嫌いにならないで。



20160616

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-08-06

Copyrighted
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