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壊れそうな人を壊してくれないから世界は優しいんだと思います。僕一人の力ではどうにもできない憂鬱は、僕の中でとぐろを巻いて、大嫌いなへびになる。そんな話。アブをやいて殺してあっと小さな声を上げた人。なんで死ぬのかな。まっしろな仙人になって、なんで君は死ぬんだろう。意味不明な言葉たちが君のライフライン。寂しかったんでしょ。そう言ってきみは笑っていなくなった。孤独とか不安とか言葉にすればいくらでも飾れる。それを望んだわけじゃなかったんだよ。さよならさよならさよなら。スクロールしてクロール。海です。彼の言葉を借りるなら。この言葉そのものが、僕の持つ一番小さな海なんです。なんてね。麦わら帽子なんてもう随分とかぶっていない。


20160616

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-08-06

Copyrighted
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