恋の定義
いつからだろう、先輩を意識し始めたのは...
この感情を恋と言わないのなら何と言おう?
まだほんわり暖かい風が吹いている5月
あんなに受験勉強を頑張ったのに結果は虚しく
結局行きたい学校に行けず滑り止めの学校に入ってしまった、何の為に私の3年間を捧げたんだと嘆きながら迎えた5月。周りはこの環境に慣れ始めているからか私だけ完全に浮いている。中学1年ともなれば、部活に入ったり忙しくなるものだと思っていたが全く違った。チャイムがなればそそくさと家に帰り、スマホと向き合う、目覚ましがなれば支度をして学校に行くの繰り返し。受験をすれば何か変わるんだと信じていたが、結局なにも変わらなかった。月日は流れ、6月になるとみんなが部活を決め始め本入部をする頃になった、私はやっと仮入部をした。天文部。星に興味があったからとかの理由ではなくただ単に緩そうだなと思ったからだ。他に入りたい部活もなく、本入部はその天文部にした。活動は星に関して調べたり、観測をしたりする。なんとなく始めた部活だったが、なんとなく楽しくなってきて、なんとなく先輩とも仲良くなった。仲良くなったと言っても廊下ですれ違えば挨拶をする程度だが。この時からだ。私が違和感を感じ始めたのは。最初は先輩が好きなんだなぁとしか思っていなかったが、だんだんとそれが恋愛感情なのではないかと思いはじめた。ありえない。なぜなら私の入った学校は、女子校だからだ。先輩に恋をするなんて、したところで叶わないし、ただの思い違いだと思っていた。夏休みを迎える頃には先輩への気持ちがもっと複雑になっていた。先輩は優しいし、ほかの後輩にも分け隔てなく接している。私にだって同じだ。なのに、心のどこかで、私はどう思われているんだろう?特別な存在にはなっていないかなとかまるで恋人のような感情になっていた。もちろん聞けるはずもないし、聞いて普通の後輩と先輩でいられなくなると思うと、聞きたくもない。聞いてしまったら先輩に迷惑をかけてしまうともわかっていた。なのにこの気持ちが抑えられない。まるで、子供の好奇心のようだ。このモヤモヤした気持ちを友達に話せるはずもなくずっと心の中にしまい込んでいた。それでも溢れようとするこの感情を恋と言わないのなら何と言うのだろう
恋の定義
読んでいただきありがとうございます!
たいちゃんです!
これを小説と言っていいのかわかりませんが
私にとっては初めて書いた小説です。
実体験ではないのですが、複雑な同性愛を本にしてみました。学生という時期にもし、同性の先輩を好きになってしまったらどんな気持ちになるか考えるのが難しかったです。考えながら書くのは大変でしたが楽しくもありました。この本を読んで頂いた方に少しでも気に入ってもらえればうれしいです。