Sentire〜センティーレ〜

少し考えると
分かってしまうお話です

分かってしまった方がいいのか
分からなかった方がよかったのか…

僕が、君の目になるよ


私の世界には、光がない


どこまでも続く暗闇の中で
唯一の生きる手がかり
それは
あなたの声


「僕が、君の目になるからね」


迷った時も
常にあなたがそばにいて


「君の目は僕だよ
だって僕たちは 2人で1つじゃないか」


私の一歩先にいるあなたの声





あなたの悲鳴が
暗闇を引き裂く


暗闇が
突然
眩しい光に照らされた
眩しい2つの光


眩しい光は
一直線に
こちらへ向かってくる


そして
あなたの声が







聞 こ え な く な っ た






「僕が、君の目になるからね」


初めて目にする
柔らかい光に包まれて
そっと涙を流す

天使のようなあの子

友達ができた

黒くて薄汚い僕に
白くて可愛らしい友達ができた

今日も
両手にたくさん草花を抱えて
あの子に会いに行く

白くてふわふわしたあの子に
良い香りのするあの子に

あの子は初めて
僕のことを汚いなんて言わなかった
怖いなんて言わなかった
あんなにふわふわした
天使のような子が
僕のことを
否定しなかったんだ

ひだまりのなかで
あの子とのんびり過ごす時間
隣のあの子は良い匂いがする

思わず抱きしめた



僕の親戚が
あの子を美味しそうだなんて言った
あんなにふわふわした
天使のような子を

僕は慌てて
そんなこと言うなって怒った
あの子には指一本触れさせないって



今日もあの子に会いに行く
天使のようなあの子に

あの子が隣で幸せそうに寝そべっている
こんなに白くて
ふわふわの
良い匂いのする
天使のような子

この子は誰にも渡さない

思わず







食べちゃった

愛の告白を…

私、恋をしてるの

彼は毎朝
「おはよう」
って挨拶してくれて
毎晩
「おやすみ」
って声をかけてくれるの。

それから
私が恥ずかしがっているのに
いつも必ず
「今日も綺麗だね」
って言ってくれるの
恥ずかしいけど
嬉しくて赤くなっちゃう

この前だって
喉が渇いたわぁっていったら
「この水どうぞ」って。
いつも私のこと見てるのね。
夏バテでだるいわぁっていったら
「ゼリーでも食べて元気出して!」って。
毎日私のことで頭がいっぱいだって言ってた。

おとといにはね
綺麗なリボンを結んでくれて
「君はとっても綺麗だ。今すぐにでもみんなに見てもらいたいよ
そろそろみんなに紹介しても良いかな?」
だなんて言うのよ。
もちろん、にっこり笑って答えたわ。



ほら、彼が来た!
きっとプロポーズのための指輪を持って…

「やあ、迎えに来たよ」
私、嬉しいわ!
「一緒に行こう」
ねえ、
それ、何を持っているの?
照れないで。隠さないで見せて。
そして私に愛の告白を…




ねえ、

どうして私の足を切るの?

宙ちゃんの絵

ソラちゃんが絵を描いた。
宇宙の絵だ。

「わあ、綺麗ね。星がたくさん!
この青いのは地球?」

ママが聞いた。

「うん、ここにはね、いっぱい人が住んでるの。
ソラもママも、いるんだよ。」

「そうなの。どこにいるの?」

「ここからはね、見えないの。
ソラとママもね、ソラたちを描いた人には見えないんだよ」

ママは首を傾げた。

「ソラもママも、絵の中なの?」

「そうだよ。だけど、ソラたちはすっごく小さいから、
何をしても、誰かがいなくなちゃっても、分からないんだよ」

ママは理解できなかった。

「ママ、分かんないの?」

ソラちゃんはにっこり笑った。

「じゃあ、ソラが教えてあげるよ!
見ててね。絵は変わらないんだよ!」


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「ああ、ソラの絵が…







「真っ赤になっちゃった」

Sentire〜センティーレ〜

続きます

Sentire〜センティーレ〜

ちょっと考えさせられる、 そんな切ないお話を集めた短編集です。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • ミステリー
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-08-03

Copyrighted
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  1. 僕が、君の目になるよ
  2. 天使のようなあの子
  3. 愛の告白を…
  4. 宙ちゃんの絵