メン子ちゃんゼリー

啜り終え午後の五月のメン子ちゃん透ける容器の凹凸ころぶ

複雑な遊びらしくて遠ざかるオレにこどもの声のくどくど

本物の道草だった男の子ふたりが草をちぎり駆け出す

すごろくで一回休みになった子の不満をオレはもう感じない

歯の抜ける夢はよく見るけど今朝のやつは三位以内に入る

からだには傷がないけどこころにはあると笑っているいつまでも

マネキンに並んで立ってみたオレのどうせおんなじだろって顔だ

教科書の表紙みたいにおとなしい森林とその上の空、雲

行く道に聴いたピアノの帰りには店内BGMと気づいた

筋肉を初めてテカらせた人とそれを真似した大勢のひと

メン子ちゃんゼリー