デモス

 デモス

デモスは星を食い
無音の小部屋の片隅に
アイオス島から飛びたった
青き巨鳥の羽毛がこぼれ落ちる。

いにしえの、一万年前の光の幻影の淵で
僕は石壁を打ち鳴らしていた。
世界の深い青の舞い上がる石柱
あゝ、小さな箱の中に仕舞い込まれた
青銅の扉を開かせる力の鍵を求めて僕はさ迷った。

海を酔わせるお前の雅歌よ
青き二つの月が僕の両目からこぼれ落ちていく。
その距離さえもお前は旋律の中で歌っていた。
そして、この戦いの隙間を
信じがたい勇気をもって僕は見つめ続けていたのだ。

デモス

デモス

  • 自由詩
  • 掌編
  • 冒険
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-06-16

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted