綿雲
曖昧な領域に境界を引いて
かつては分かっていた
何処かで二分されなければならないのに
改めれば
何処にいたのかさえ分からなくなる
それは宙に舞うようで
胸の真ん中に確かな存在を感じて
あなたにも、誰かにも、見出す
繊細な真実をパターン化して
すべてを掌握したがっていた
何処かで折り合いをつけなければならないのに
認めれば
何もかも蔑ろにされてしまうような気がする
放っておけば傍にいて
掴もうとすれば指の間をすり抜け
あなたにも、私にも、見出す
何処にも行かないで、教えて欲しい
それは私なのか、誰かなのか
興味本位なのか、恋なのか
諦めなのか、嫉妬なのか
嫌いなのか、自棄なのか
装っているのか、本心なのか
綿雲