アリノス

この世の万物を神が創造したのだと
僕らの世界にそっと影が過ぎる
それならばきっとただの遊びなのでしょう
飽きたらば直ぐに次のおもちゃ探しへと

散らかり放題でも後片付けもせずに
何処かへとふわっと消えた
居なくなったら創っちゃえばいいか
お気楽でいいな

世界の悲惨さをひとつずつ確かにして
今更それを知って何になるの
此処まできたのだけど
僕らの叫び声を人々の悲しみだけ
纏め上げただけでもうひとつ世界が
出来てしまいそうな

人類が世界を作り直し始めた頃
僕らの未来にそっと矢が刺さる
想定外の事態に世界は耐えられなくなり
気付いた時にはもう修復が追い付けずに

散らかり放題だから無視をしてさ
何処かへとふらっと逃げたい
この世の生涯と僕らの障害が
張り合っているんだ

世界の彼方此方で神々に祈りを捧げ
今更それが一体何になるの
この世は誰のなの
宇宙の広大さとちっぽけな銀河が
僕らの仕組みなんて無意味だって
打ち明けているようでさ

どのくらいの間楽しめたのかな
僕らの永きに亘る舞台劇を
茶番にもならない自作自演を

どれくらいの間楽しめたのかな
美しい星で起きた舞台裏を
未だ無責任に広がっている宇宙を

この世は奇跡を重ね作られたのだと
僕らの足元にそっと皹を入れる

アリノス

アリノス

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-07-22

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted