サイド

ねえ
君と一緒に居られて本当によかった
不思議と息苦しくて誰もが大空に手を伸ばす
人々は悲しみと苦痛と飴とで悦びを育て
その涙で着けた炎を皆して大切に守るんだ

それは誰への当てつけなのって
何処かから声が泳いできた
お願いだよ神様僕の胃袋から解答を
引き出してくれないか

地球は辛くたって
どれだけ泣きたくって
僕らを乗せていつもを廻す
わかってはいるけど
明日が来るんだって
僕はもう厭だって
遥か彼方の誰かと寄り添って
全てを諦めたいんだ

もし君になれたら月を羨むことだろう
孤独から逃れ君の傍で僕らを見下ろしている
だから今すぐにでも僕なら時間を止めて
時速1,700kmの速度でみんなを放り出すんだ

そこから見渡せる景色はどんなものかって
知れたならきっとわかったのにな
教えてその喜怒哀楽の全部を
どうか堕ちる前に

地球は辛くたって
どれほど嘆いたって
希望を連れて絶望を廻す
わかってはいるけど
明日で終わったって
僕にはそれがいいんだって
そうして僕はその最期になって
ようやく愛せるから

古き友との初めましてを
僕の終わりに始めたいのです
続く世界に僕が居なくても
もう一度

溜め込んだ大海の涙を
涸らすまで泣いたっていいんだよ
その瞬間全世界が
感動に包まれるようにさ

全身全霊賭した君の生涯を

地球が愁いたって
何も関係ないんだって
誰彼皆ひっくるめて
わかってはいないけど
そんなことないんだって
僕らの不条理だけ
掻き集めては神々の戯れとして
もう思い切ってさ

サイド

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-07-21

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