山あいの小さな集落

山あいの限界集落みたいな小さな村を探検するのが好きだ。

だいたい山方面に向かって国道を走り、わき道に入って1時間も走れば、

必ず、小さな集落がある。

村の入り口付近に車を止め歩く。

崩れかけた廃屋とか、未だ新しい廃屋とかを発見したらワクワクする。

どんな人が、いつぐらいまでこの家で生活をしていたのだろうかと想像する。

蔵とか納屋の前にバケツややかんが雑草の中に見え隠れする。

ああ…何年か前まで確実に生活が営まれていたのだ。

廃屋になった理由は何だったのだろうか、しばし妄想。

どこの村に行っても、10分もすれば必ず、どこからともなく、お婆さんが現れる。

何の用事で来たのか、どこから来たのか、興味津々で尋ねられる。

そして、最後の定番 「わたし何才に見えますゥ…」

年令を聞いたら、必ず大げさに驚く 「絶対、70代にしか見えへん。」言い切る。

ホントは93才でも。私は村人とすぐ仲良しになるのは得意技。

この間、行った村では二人のおばあさんと意気投合。こんなところが本気で好きなら…と

移住を勧められ、一人のお婆さんの親戚の空き家を紹介された。

横の離れは、リフォーム無しでも生活できるらしい。

私にも何とか買えそうな価格だ。

こんな山あいの小さな村で、ハーブを育てたり、ヤギやニワトリを飼って暮らすのもいいな…

1週間は本気で悩んだ。

山あいの小さな集落

山あいの小さな集落

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-07-20

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