ボーイフレンド(仮)版権小説「おしえて★マイダーリン 交換ノートの渡し方編」(全年齢対象・無料)

 ボーイフレンド(仮)イベント、「おしえて★マイダーリン 2016年6月編」をプレイ。交換ノートを渡して仲の良さが上がっていくこのイベント。九条先輩ルート、西園寺先輩ルートをクリアして、西園寺先輩はともかく、よくぞあの九条先輩が交換ノート受け取って書く気になったよな、とか思いつつ書いた一本。
 これまでの「おしえて」イベントもプレイしつつ思うけど、そもそも高校生男子って交換日記なんて絶対やらないよな、あまりまだ仲良くない女子となんてありえないよなぁ……特に九条先輩に「俺は忙しい」とか言われると絶対渡せないよなぁ……レベルが上がってからのデレっぷりは一番だと思うけど、とか、6月編はプレイしつつ随分とニヤニヤさせていただいてもらった。
 今回の西園寺先輩と赤主人公その1(西崎綾乃)は、まだキス止まりの関係。
 ゲスト出演のオリジナル主人公二人(千里、香澄)は、「夏は二人の季節」http://www.pixiv.net/series.php?id=678891 に登場します。西園寺先輩と恋仲の綾乃と一緒に弁当を囲む仲。
 緑主人公(森川千里)は鷹司先輩と既に深い仲、赤主人公その2(紅坂香澄)は九条先輩とまだレアカードレベルな感じ(お互いかなり気になっている)で、恋愛進展的には「夏は二人の季節」より少し前(そちらは香澄も九条先輩も恋心を自覚している)です。

キャラクター設定

*西崎綾乃(にしざきあやの):2年A組。西園寺蓮(さいおんじれん)先輩と恋仲。赤主人公その1。ふとしたきっかけで生徒会を手伝うことになった。流されやすい性格。首元より10cmほど長いストレートヘアを毎日違う結び方で登校している。西園寺先輩曰く、学内で彼女を狙っている虫は片手では足りていないとか。勉強は平均以上。弟がいる長女。彼女が主人公の場合、なぜか守部匡治が家の用事で多忙なのは生徒会長の呪いかもしれない。西園寺先輩に目をつけられなかった場合、幼馴染の如月斗真(きさらぎとうま)と恋仲になる運命だった。家ではパジャマ。両親ともフルタイムで働いており、自作弁当派。高校を卒業後、四年制大学に入り、普通のOLとして就職。一人称「私」。

*紅坂香澄(べにさかかすみ):2年A組。九条生晋(くじょうきしん)先輩のことが気になっている。赤主人公その2。引っ込み思案の頑張り屋。首元までのストレートヘア。父親は普通の会社員、母親はパートの庶民派。勉強は平均以上。妹がいる長女。九条先輩に言われて淑女に興味を持っているが、ナイフとフォークを使うような料理が家では出ないので困っている。一人称「私」。

*森川千里(もりかわちさと):2年A組。鷹司正臣(たかつかさまさおみ)先輩と恋仲。緑主人公その1。恋愛に積極的。首元までの長さのくせっ毛をピンでとめている。元気がよく友達が多いタイプ。両親は地元商店街の八百屋。面倒見の良いタイプの兄・姉がいる末っ子。紅坂香澄の幼馴染。勉強はあまり得意ではない。運動神経が良い。一人称「あたし」。鷹司正臣のことは「正臣先輩」と呼ぶ。


*西園寺蓮(さいおんじれん):魅惑の生徒会長。生徒会の名のもとに変わったイベントを主催して、学園内で混乱を巻き起こし生徒(および先生も)おもちゃにするのが大好きなSタイプだが、先生や生徒からの信頼は高く、学業も生徒会も頑張るまじめな生徒だと思われている。最近は専ら西崎綾乃とどうやって遊ぼうか頭を悩ませている。華道部の部長であり、家でも生け花の先生をしていたりするため、彼が複数人居るのではないかとの噂まである。柔らかく、少しだけ癖があり、色素が薄い髪の毛。実はけっこう華道や生き方で悩んでいる。

*鷹司正臣(たかつかさまさおみ):森川千里と付き合い始めてからすっかり庶民の楽しみにはまっている。千里に振り回されるのが楽しくてたまらない。

*九条生晋(くじょうきしん):紅坂香澄が気になっており、イベントのたびに香澄と自分でも気が付かないまま接点を持とうとしている。周りから見ると非常に彼女にご執心なのだが、本人は気が付かないふりをしている。(そんなことはないと思っている。)

本編


 梅雨に入り、うっとうしい日が続いている。朝から降り続いている弱い雨は、放課後になってもやむ気配はない。
 生徒会室の大きな窓から見える空は、今日も分厚い灰色の雲に覆われていた。
「綾乃さん、今日は浮かない顔ですね」
 肩を叩かれてはっと振り向くと、西園寺先輩の顔がすぐ近くにある。生徒会の作業を手伝っていたつもりが、ついぼんやりしていたようだ。
「あ、すみません、気が付かなくて」
「少し休憩しますかね。お茶を入れてきますよ」
「いえ、私が……」
「フフ、綾乃さんは座っていてください。暑くなってきましたし、少し体調も崩されているのでは? 今日はもうお帰りになりますか? 送らせていただきますが」
「いえ、全然そんなことは……私は大丈夫なのですが……」
「そうおっしゃるということは、綾乃さん以外の人が何かあったのですか? お友達とか」
 友達、と言い当てられ、綾乃は視線を彷徨わせる。
「あ、でも……」
「大丈夫ですよ。急がなくとも。あなたが話したくなるまでいつまでも待ちますから」
 西園寺先輩に手を引かれるままに、ソファに移動する。ふかふかしたソファに浅く腰をかけると、先輩も隣にゆったりと座る。
「そんなに緊張なさらずとも」
 腰を軽く引かれて、深々と座り直させられる。座面が大きめのこのソファは、背もたれに背がつくくらい深く座ると綾乃の足が少し上がってしまい、落ち着かない。先輩の長い脚にちょうど合うように作られたのでは、と座る姿をちらっと見て思う。
「疲れているなら、このまま私にもたれて少しお眠りになっても構いませんよ」
 そっと肩を抱き寄せられると、もう逃げられない。空調が良く効いた生徒会室で、先輩のぱりっとしたシャツの袖が直接腕に触れるのが心地良い。
 ただ、このまま黙って肩を抱かれているのも緊張が増していく一方だ。綾乃は重い口を開いた。
「実は……友達の香澄……あ、紅坂さん、のことで」
「あぁ、あなたと仲が良い、紅坂香澄(べにさかかすみ)さんのことですね」
「よくご存知ですね」
「えぇ。いろいろと。あなたのことなら」
 この人は一体何をどこまで知っているのだろう、と、笑顔を見上げて綾乃は少し首をかしげる。
「その……かすみ、あ、紅坂さんの」
「フフ、あなたが呼びたいように読んでください。話づらいでしょう?」
「あ、では、その、香澄が……」
 ここまで言われると黙っておくのも忍びなく、綾乃はとりあえず全て話すことにした。
 最近、学園では「交換ノート」が流行っている。気になる人との想い出を書き綴り、相手に渡す、という、一見簡単なようで、ただ渡す相手によっては結構難しい。
「それが、香澄がノートを渡したら、こんなものを読んでいる暇はない、とか、受け取っていただけなかったみたいで」
「あら……。紅坂さんが渡した相手なら、生晋(きしん)ですね」
「ご存知でしたか。九条(くじょう)先輩とのこと」
 九条生晋(くじょうきしん)。西園寺先輩と同じく学園の四天王の一人。フェンシング部の部長でもあり、整った顔立ちと少し近づきがたい凛とした佇まいで女生徒の人気はかなり高い。ただ、少しかりかりした感じと、高慢とも思える発言が、綾乃には近づきがたく思える。
「えぇ。私は生晋と古くからの友人ですからね。生晋が気にかけている女性が居ることも知ってましたよ」
「え、気にかけて……?」
「フフ、生晋はああ見えてかなり分かりやすいところがありますからね。紅坂さんへの接し方を見ていると少し微笑ましいですよ」
「え、微笑ましい……、ですか……」
 香澄が九条生晋先輩に捕まっているのを最近何かと綾乃も目にするが、とても微笑ましい、と言える状況ではないと綾乃は思う。香澄がひょんなことから九条先輩に目をかけられてしまってからは、西園寺先輩が企画する様々なイベントのたびに、九条先輩に引っ張られていってしまっている。
 いつも不機嫌そうに眉を吊り上げている九条先輩と、いつも穏やかに微笑んでいる感じの西園寺先輩とが友人と言われても、綾乃には二人の会話が想像できない。元々、この先輩方二人の世界自体が、まだまだ自分にはとても近寄りがたいものに感じられるが。
「えぇ。私としては、生晋が最近少し丸くなったのでは、と嬉しく思うところもあったのですが。交換ノートを受け取らないとは……生晋も罪なことしますね」
「すっかり香澄がしょげてしまっていて。見ていられなくて」
 最初は、九条先輩の姿を目にすると慌てて千里と綾乃の後ろに隠れていた香澄だったが、九条先輩に対する感情に気が付いてしまったらしい。
「三人で買われてましたよね。あなたと、紅坂さんと、森川さんと」
「えぇ。……って、ご存知でした? 千里のことも」
「もちろんですよ。あなたとのことは何でも、ですよ。フフ」
「え……」
「それに、正臣(まさおみ)が楽しそうにノートを広げている姿を最近よく目にしますからね」
 綾乃の友人、森川千里(もりかわちさと)は、綾乃にもいまだに信じられないことに、鷹司正臣(たかつかさまさおみ)先輩とかなり仲が良いらしい。
 ……千里に言わせると、綾乃が西園寺先輩と仲が良いのも信じられないことらしいが。
「えぇ。元々始めたのが千里で。だから千里が香澄に、九条先輩のとこ行ってこい、って言ったのですが……」
 どこでこんなことを聞いたのやら、3人の中でノート交換を真っ先に言い出したのが千里だった。鷹司先輩は快く千里からノートを受け取り、交換が始まったらしい。千里と幼馴染の香澄は、何事も長続きしない千里が交換日記など続くわけないと最初は笑っていたものだった。
 筆不精な千里が鷹司先輩と4、5回もノート交換を行うころには、気が付くと学校中でノート交換が始まっていた。
「もしかすると、他に人が居るところで渡されました? 生晋はあぁ見えても意外と人の目を気にするのですよ」
「あ……!」
 そういえば、と綾乃は状況を思い出す。千里に引きずられるようにこっそりと香澄の後を追い、柱に隠れてそっと覗いてしまい……あの時、九条先輩と目があったかもしれない。
「フフ、人の恋路を邪魔してはいけませんよ」
「そんな、私は……」
 俯いた綾乃の肩を、西園寺がそっと抱き寄せる。「大丈夫ですよ。何も心配することはありません」と西園寺は綾乃の耳元でそっと囁き、耳たぶを軽く食む。
「あ、先輩……」
「私に、全て任せてください。あなたに悲しい顔は、ひとときでもさせたくはないですからね。それに……」
 西園寺は綾乃の耳をやさしく唇で辿り、目の下に軽くキスをした。
「友達のことならともかく、生晋が綾乃さんの頭を少しでも占めてしまうのは……いけませんね。あなたを悩ませてよいのは、私だけですから」
「でも……」
 言葉を遮るかのように人差し指ですっと綾乃の唇を辿り、そのままそっと唇も触れさせる。
「任せてください、すべて、私に」
 綾乃が小さく頷くと、西園寺も満足したかのように大きく頷き、再び綾乃の唇をふさいだ。んん、と漏れ出た声を奪うように深く口づけられる。
 首元に軽く添えられた手が首筋を撫でるように動き、綾乃はくすぐったさに身をよじる。ゆっくりと離れていく唇が少しだけ名残り惜しく感じられ、思わず身を摺り寄せてしまう。
「私の抱擁だけで……感じるようになりましたか?」
 耳元でそんなことを言われてしまうと急に恥ずかしくなり、綾乃は慌てて身を離そうとしたが、唇が追ってくるほうが早く、また簡単に唇を奪われてしまう。
 試すようにそっと入ってきた舌の感触には、どう反応してよいのか分からず、ただ翻弄されるだけだ。
 唇と舌が立てる水音も淫靡な世界の扉を開ける音にも聞こえ、綾乃は先輩の胸をそっと手で押し返す。その手は片手で簡単にまとめられ、先輩の膝に押し付けられた。ズボン越しなのに随分と熱く感じられる。
 少しだけ舌が中で動いた後、ゆっくりと唇が離れていく。ゆっくりと目を開けると、見計らったようにまた柔らかい唇が迫る。息をしようと軽く開けた唇に、またそっと舌が入ってくる。舌の動きと、少し荒くなった甘い吐息にくらくらし、自然と自分も息が上がるのを感じた。
「……こういうキスはまだ早いですか? 顔がとろんとして、更に可愛らしさが増してますよ」
「これもキス……ですか?」
「むしろこれがキスですよ。またこれからゆっくりと教えて差し上げますから。あなたに教えて差し上げたいことはまだまだたくさんありますからね」
 息が乱れていたのをもう思い出させないような、花のような笑顔でゆったりと微笑まれる。これからこれ以上に何を教えられるのか少し怖くもあったが、この先に何があるのか知りたいという気持ちが既に自分の中で湧き上っていることに綾乃は気が付いていた。
 またそっと先輩の唇が近づいてくるのを止めるすべも止める気ももたず、綾乃はすっと目を閉じる。唇にすっと唇が触れ、すぐ離れていく。
 少し拍子抜けで目を開けると、私にも、と言うように西園寺先輩が自分の唇を長くて白い指先でとんとんと叩く。少し濡れた赤い唇の誘惑に逆らえず、綾乃はすっと唇を重ねた。
 そっと体を離すと、満足そうに頷かれる。そして胸元に引き寄せられ、やさしくゆっくりと頭を撫でられる。
「あなたからのキスで、胸が高鳴っているのが分かりますか?」
 胸に抱き寄せられたまま軽く頷く。西園寺先輩の音が夏服の薄い生地を通してもはっきりと聞こえた。自分の心臓の音も聞こえてしまうのではと思うほどうるさく鳴っている。
「フフ、あなたの音はこれ程雄弁なのに、あなたがまだまだ私にすべてを見せてはいただけないのですか?」
「え、そんなこと……」
 ゆっくりと顔を上げると、今度は頬をやさしく撫でられる。
「言うなら今ですよ。……と、その顔では、今日の目的を忘れていませんか? キスですべてを忘れてしまうとは、それはそれで可愛らしくてこのまま食べてしまいたいのですけどね」
「えっと……」
 そういえば。
 入っている。一つ、いや、一冊。
「フフ、いつ私に見せてくれるのかと待っていたのですが」
 あれは……と綾乃は視線を鞄のほうに向けたが、西園寺の指が綾乃の顎を掴んで戻し、再びやさしいキスを落とす。
「でも……先輩忙しそうだから、渡していいものか、と……」
「私があなたのために時間を割けないとお思いです?」
「え、でも……」
「見せてください、ね。さもないと離しませんよ、このまま。もう今日のあなたは私を十分に昂らせていますからね」
 答えられずにいる綾乃の首すじをすっと撫でた指が、首元にかかる髪を後ろに流す。空いた首筋から顎、耳にかけて何度か指先で嬲られ、綾乃は思わず声を上げる。
「あ、もう分かりました、ノート、取ってきますから――」
 このままだと何をされるか分からず、綾乃は鞄の元に走った。鞄から、もう二週間も出せずにいたノートを取り出す。
 ノートの地味な表紙を眺めていると、まだこれを渡してよいのか少し迷ってしまう。千里のように表紙に何か描いたほうが良かっただろうか。
 千里のノートの表紙には、千里が描いた、鷹司先輩の似顔絵らしい微妙な顔の絵と、これまたそもそも顔だとも分からない絵が並べて描かれている。鷹司画伯の絵が下手……いや、個性的なのには、展示会で初めて見た時には驚いたものだ。
「フフ、まだですか?」
 近づいてきた西園寺先輩に、ノートを持った腕ごと後ろからそっと抱き寄せられる。
「このまま、あなたの後ろから読み上げてしまいたいですね」
「だめです、さすがにそれは……」
「冗談ですよ。大事な宝物ですから、持ち帰ってしっかりと、線でも引きつつ読ませていただきますよ」
「線はちょっと……」
 声が耳にかかりくすぐったいのと、先輩にそっとノートの端を掴まれるとさすがに断れず、綾乃はノートを手から離した。西園寺先輩はそのまま腕と腕との間に綾乃を挟んだままで、ノートを両手で大事そうに持った。
「あなたがどのような告白をしてくださっているのか楽しみで仕方ないですね。フフ、今日はそろそろ帰りますか。このままでは生徒会の仕事も手につきそうにないですし」
「先輩、大丈夫なのですか?」
「もちろんですよ。じっくり読んだ後は、今日のあなたとの想い出をしっかりと書いて持ってきますので、楽しみにしていてくださいね。どのようにあなたが私のキスで乱れたか、しっかりと書かせていただきますから」
「あ、千里たちにうっかり見られると困る内容はちょっと……」
「フフ、最初はおとなしくしておきますから。ただ、私との秘め事ですから、お友達にも見せてはいけませんよ」
 秘め事と言われると、また頬が熱くなってしまう。
「あと、生晋のことも、任せてください。すぐにあなたのお友達を笑顔にさせて差し上げますよ。……ただ、生晋が書く内容で笑顔になれるかは別問題として……」
 どのような手を使うのか気になったが、満足そうに髪の毛に頬を摺り寄せられているこの体勢のままでは、とても聞けそうにはなかった。


 ――数日後。

 綾乃が千里、香澄と昼休みに弁当を囲んでいると、いつも以上に仏頂面の九条先輩と、いつも笑顔の西園寺先輩がやってきた。
 つかつか、と音が聞こえそうな勢いで九条先輩が香澄に歩み寄り、片手をぐいっと差し出す。
「貴様、俺に渡すものがあるのだろう? 早くよこせ」
「生晋、そんな言い方をしたら女性を怖がらせますよ」
「うるさい、蓮。俺はこんなこと早く済ませて教室に戻りたい。この教室は煩くてたまらん」
 ほうけたように二人のやり取りを見ていた香澄だったが、九条先輩が再び手を出すと、机の奥を慌てて探り出す。少しよれてしまった交換ノートを引っ張り出すと、一緒に教科書が2、3冊、床に散らばった。
「フン、俺を待たせまいとする心がけだけは殊勝なものだが、もう少し落ち着きを持たねばな……」
 あきれた様子をでため息をつきつつも、九条先輩が教科書を床から広い、ぱっぱと埃を払い、香澄の机の上に少し乱暴に置いた。
「あ、その、す、すみません……」
 交換ノートで顔を隠さんばかりに恐縮している香澄から、九条先輩が指先でぴっとノートを取り上げる。
「これか……。今後は俺がこのノートでしっかりとレディの心得を教えてやるから覚悟しておけ」
 そういうことですか、と西園寺先輩のほうを見ると、笑顔でうん、うん、と頷かれた。
 二人が教室を出ていく姿を真っ赤な顔で見送っている香澄と、頬杖をついてにやにやと香澄を眺めている千里を見ていると、綾乃は今日の放課後も生徒会室に行くしかないと思った。

ボーイフレンド(仮)版権小説「おしえて★マイダーリン 交換ノートの渡し方編」(全年齢対象・無料)

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Amebaのゲーム「ボーイフレンド(仮)」のイベント、「おしえて★マイダーリン 2016年6月編」の西園寺先輩、九条先輩編のスピンオフシナリオのイメージ。 (検索キー:ボーイフレンド(仮) ボーイフレンド(仮) BF(仮) 版権小説 夢小説 Ameba 西園寺蓮 九条生晋 鷹司正臣 キス)

  • 小説
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-07-19

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二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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  1. キャラクター設定
  2. 本編