ボーイフレンド(仮)版権小説「ポニーテール乱さないで」(全年齢対象・無料)
ボーイフレンド(仮)の魅惑の生徒会長、西園寺蓮×主人公。生徒会室で作業中に、乱れた髪を先輩になおされて……。Amebaの「クチコミ番付」用のネタ【今の髪型、どれくらい変わっていない?】を見てすぐ書き上げたもの。(2015年6月26日)
放課後、今日も西園寺先輩の作業を生徒会室で手伝い中。ほんと、この学校イベント多すぎよね。そのほとんどに先輩が関わっているから、イベント前、どころか、年がら年中忙しいように見える。先輩と会うにはこうやって生徒会室で作業するのが一番いい。守部くんが最近家庭の都合で忙しいとかで放課後の作業に参加することが少なくなり、生徒会室での二人きりの時間が増えたのはいいんだけど、ますます先輩の忙しさが増しているのは問題だと思う。
「先輩、そちらはいかがですか?」
「ちょうど纏め終わったところですよ。あなたに手伝ってもらいながらの作業だとすぐ終わる気がしますね。では、テニス部にこのプリントを届けていただけますか。遊馬君がいると良いのですが」
「わかりました。行ってきます」
立ち上がろうとした私の腕を、先輩に軽くつかまれる。
「ちょっと待ってください。ピンが歪んでしまっていますよ」
今日はポニーテールで、横を小さなピンで止めている。どちらのピンだろう、と手をのばす前に、西園寺先輩の手がすっと左耳元をくすぐる。
「私に委ねていただけますか? もう少し近くで」
先輩に耳元を押さえられたまま、少しピンの位置を動かされる。顔が近すぎてまともに顔を見られない。
「ほら、動いては駄目ですよ。そのまま、そのままで」
息してよいのか迷う距離に、頬が熱くなる。
「ほら、もう良いですよ」
先輩が少し離れたので、思わず息をついてしまう。
「フフ、そんなに怯えなくてもよいですよ。それにしても……」
先輩の顔がまた近づいてきて、今度は正面から見つめられる。距離を取ろうと少し背を反らそうとしてみたが、その前にすっと手をのばされ、肩に垂れていたポニーテールの毛先を摘ままれてしまう。
「髪の毛、随分伸びましたね。あなたが毎日どのようなアレンジで登校してくるのか、かなり楽しみにしているのですよ」
「今日は体育があったので、少しアップしたほうが良いかな、と」
「ポニーテールは、普段より更に元気そうに見えて良いですよね。あと、首元が無防備になるところがとても魅惑的で……そそられますね」
先輩の手が髪の毛を離れたかと思うと、首元に回り、首の後ろを撫でられる。あまり自分では触らないところを走る感触と、今にも食べられてしまいそうな先輩の瞳にぞくぞくしてしまう。
「先輩も、時々アレンジしていますよね。三つ編みとか。あれは自分でやってるのですか?」
ごまかすように質問してみたが、私の首に触れる先輩の手が止まらない。指でつっと撫でられ、声が漏れそうになる。
「時には気分を変えるにはいいですよね。髪型は随分と変えてないので。短いほうがお好きだったりします? 坊主とか」
「いえ、このままがよいと思います! このきれいな髪が……」
先輩の坊主姿は想像できない。
「お褒めいただけるとは光栄ですね。触ってもいいですよ」
「でも……」
戸惑っていると、すっと手のひらを取られ、先輩の首元に持っていかれる。やわらかく、少しだけ癖がある髪の毛が、指に心地よい。先輩の手が離れても、髪から離れがたく、いつまでも触れてみたくなる。指で少しくるくると髪を遊ばせてみる。
「何かいけないことされている感じが堪らないですね。フフ、このまま……」
先輩の顔がまたすっと近づき、今度は首元に顔を埋められる。驚いて、先輩の髪を軽く触っていた指が、後ろの髪の間に入る。
「好きなだけ乱してください。私の心だけでなく、髪も、体も」
喉元を舐められつつ、すっと先輩の指が私の首元にかかり、制服のリボンをずらされる。顎をすっと指で触られたあと、第一ボタンに手がかかる。首の後ろに回っているほうの手は、敏感なところを探しているかのように不規則に動き、体の奥が少し熱くなってくる。
「いいですね……。身をよじると、髪が大きく揺れるのが……」
首元から、後頭部を軽く撫でられ、そのまま頭を持たれて引き寄せられ、驚く暇もなく、唇がぶつかる。下唇を摘まむように軽く吸われ、舌が口内を撫でる感触に、力が抜けていく。
何とか逃れようと少し頭を振ると、ポニーテールの毛先が、後ろに回っている先輩の手を軽く撫でた。毛束がもう少し強かったら先輩の邪魔できるかな、とか、また髪の毛が乱れそう、とか考えつつ、先輩の後ろ髪に回したままだった手を、最後の抵抗をするかのように少し動かすので精一杯だった。
ボーイフレンド(仮)版権小説「ポニーテール乱さないで」(全年齢対象・無料)