お口はミッ◯ィーちゃん。
「タイミングなんて、自分で作らなきゃいつまで経ってもやってこないよ。」
その一言はとても的確で、いつも私を苦しめる。
私はいつもタイミングを逃す。
「この前の案件の確認なのですが...」
「この書類の提出を□/△までにお願いします。」
「すみません、今日提出の書類を忘れてしまいました。」
その一言、たった一言を口に出せない。
出せないまま、いつ言おういつ言おう、と言葉と不安と恐怖がぐるぐる頭と心を支配して、
どんどん唇が重くなって、開くことが出来なくなる。
やっと開けるその時は、
「あ、この前の案件確認した?」
「あの書類の提出いつ?」
「今日提出の書類、持ってきてるよね?」
相手からの最初の一言。
先に言わなければいけないのは私のほうなのに、相手に言われてから話す。
そして怒られる。「なぜ先に言わないのか。」と。
何度も何度も同じ失敗。
学習能力がないのか、と怒られる。
言わなきゃ言わなきゃと思うのに。
早く言わないと大変なことになる!後で言ったときのほうが自分も苦しくなる!
そうわかっているのに、重い唇を尚更きつく閉じてしまう。
言葉は、声は、そこを突き破って出てくれない。
もういっそのこと、唇なんて無ければいいのに。なんて馬鹿なことを考える。
問題はそこじゃないのに。
お口はミッ◯ィーちゃん。
後悔先に立たず、という言葉を何度も何度も味わう。そろそろ「ごちそうさま」をしたい。