受け継がれる母の手仕事
実家の裏庭には、ミョウガ、三つ葉、ユキノシタ、ドクダミ、山椒の木などが自然に生えていた。
それで、ドクダミやユキノシタの花が咲く丁度この時期になると、
母はせっせとこれらをとってきて、ドクダミはお茶に、ユキノシタは化粧品にと手作りしていた。
そのあたりだけ、なぜか季節外れの糸トンボがよく飛んで来て、私は、裏の縁側に座って、
母の後ろ姿と、糸トンボを見るのが楽しみで、飽きずにいつまでも見ていたのを思い出す。
母の手作りドクダミ茶やユキノシタ化粧品は、強制的に飲まされたり、つけらりたりしていた。
そのおかげか、ニキビとか吹き出物も出来ず、ツルッとしたきれいな肌だった。
今、私は誰に言われるわけでもないのに、小さい庭には、柿の木以外は、
すべて実家にあったのと同じものを植えている。
そして、この時期になると、ドクダミ茶を作りユキノシタ化粧品を作っている。
やっぱり、自然と母と一緒の事をしている。
そしてまた、近くに住む娘も、教えもしないのに、私と同じものを植えていて、
この時期になると、やはり、せっせとドクダミ茶を作り、ユキノシタ化粧品を作り、
強制的に、子供たちに飲ませている。
色白、美肌美人はこうして受け継がれていく…ウフッ。
受け継がれる母の手仕事