光の中の生活
明るい生活の中で。
案外今の世も、捨てたもんじゃない。
流行りの映画は、大体金曜日を待てばテレビでやってくれる。
それにはHDDが必要だが、私は生憎、全て揃えている。
後はUSBメモリとコードだな、と納得しながら、私はシングルライフを楽しんでいる。
アイフォーンでアニメは見放題だし、面白い作品はピークが過ぎれば安くなるし、至れりつくせりだ。
生来の筋肉量の多さから、私は今のところ運動も必要なく、愛犬も必要ない犬種なので外に出ずにいる。
冬場のこたつ日和なんか最高で、私は懐かしアニメを見て創作サイトのギャグ漫画など見ながら過ごす。
たまに出かけるコンビニがまた良い味してるのだ。
もはや賢ぶったりして、本などたまにしか読まない。いや読書は大切だ。
しかしこう、水槽の中のメダカのごとく生きたいなぁと思う。
ちょうど良い気温で、ちょうど良い餌を与えられて、たまに落ちてくるスプーンにびっくりするだけの日常。
母が水槽を頼むから今時の奴に変えてくれというが、あれはあれで根が張るし、ストレス量も多いだろう。
そう思えば、やはり昭和スタイルが良い。
ヤドカリも買いたい。犬と対面させたら、彼は食べてしまうだろうか。
そんな楽しみをぐふふと抱きつつ、私はこの秋、故郷へ帰る。
最後の錦よ、と最後の日に散髪屋へ行きたい。
クールに切ってもらうつもり。
色も入れよう。
商店街を歩きながら考えた。
世の中カッコつけたもん勝ち、と私はその足でトイペもキッチンペーパーも食品も買うだろうことを予感して、最後まで私は私らしく生きた、と誇りにもならぬプライドを持ってみようかと考えて、止めといた。
所詮B級映画ですよ私は、と、自販機のチャリ銭を漁っていた子が猫のように逃げてその祖母がいくら稼いだ、と手を出しているのを見て、人間って、なんとなく見切れないと思う。
堪らなく愛おしい瞬間があるのだ。光り輝いて、それは一瞬のこと。
その中で暮らせただけ、満足です。
そんな馬鹿みたいなことを言ったら、あんたはいちいち深いよ、と肩をポンと叩かれた。
吹き出して、終わり。
光の中の生活
恵まれてました。