花に虫
白髪の男が透明な大きな箱の横に立つと、人のざわめきは徐々に小さくなり、やがて静かになった。
男が箱に手を添え、中に入っているものの説明が始まった。
「この世で一番美しいものを具現化したものがこの中にある。」
中には虹色に光る長い髪の少女がいた。
直に触れられなくてもいいから、せめて少しでも近付こうと四角に手を伸ばすと白髪の男はそれをやめさせた。
「だめだよ。美しいものに触れるには、君は汚すぎる」
ひどい言われようだが、なぜだか言い返せなかった。
花に虫
白髪の男が透明な大きな箱の横に立つと、人のざわめきは徐々に小さくなり、やがて静かになった。
男が箱に手を添え、中に入っているものの説明が始まった。
「この世で一番美しいものを具現化したものがこの中にある。」
中には虹色に光る長い髪の少女がいた。
直に触れられなくてもいいから、せめて少しでも近付こうと四角に手を伸ばすと白髪の男はそれをやめさせた。
「だめだよ。美しいものに触れるには、君は汚すぎる」
ひどい言われようだが、なぜだか言い返せなかった。
花に虫