七夕の一日

竹松妙子

何もしないでこの日を過ごすのは嫌だったので、書いてみました

年に一度、雨が降っていいと思う日がある
織姫と彦星が会うことの許される日
彼らは感動して、空の上から涙を落とす
最初は小雨だったのに
時間が経つにつれて大雨となる
その状態は日が変わるまで続く……

今年も雨が降った
まだポツポツだけど
予報ではザーザーになるらしい

大好きな先輩が卒業して4ヶ月
他の先輩はたまに顔をだしにくるけど
その仲に彼の姿はいない
どんなに捜しても幻影すら見えない
今、先輩は何をしているのだろう
どんなに想像しても答えは見つからない

”連絡先、聞いておけばよかった”

先輩のことを思い出すたびに
そこの言葉が頭をよぎる

”会いたい”

後ろ姿や一瞬だけでも構わない
せめてこの夏が終わるまでに
貴方を忘れる為の留学前に……
もし、この声が聞こえるのなら
どうが彼に届けてください

決して晴れない空の下に、いることを信じて
願いを二人にたくします

七夕の一日

七夕の一日

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2016-07-08

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