目の見えない君と
少しずつ気温が暖かくなり、
風が気持ち良くなってきましたね。
はじめてを飾る作品は「目が見えない君と」
シリーズです。
思ったことをどんどん
作品にして投稿していきます。
妹は海が見えない
ある日、妹は事故に遭った
「お兄ちゃん、ここはどこ?」
「ここは海だよ」
事故で目を失って早2年、
妹は事故の記憶を
覚えていなかった
「海は広いの?」
俺はあぁとそっけなく返した
「海は何色なの?」
海はな、青色だ。と答えた
その言葉のどこが面白かったのかわからないが
妹は笑った
「風がきもちいね
また、次の夏になったら。
また一緒に海に来ようね」
妹は苦しいはずなのに、いつも笑っている。
ふと思い付き、妹に語りかける
「海はな?自分の溜め込んでいる気持ちを
吐き出せる場所だ。感じるか?海の広さを
海に来ると、自分の悩みが小さく感じるんだ」
すると妹は少し驚いたがすぐ笑みを浮かばせ
"うん。感じてる"と返した
すると、また俺に問いかけた。
「ねえお兄ちゃん」
「ん?」
「どうして私の目は
見えないの?」
俺は言葉を失った
妹は目が見えないのを
ずっと心に抱えていたんだ
ずっと気づいてもらいたかったんだ
何て俺、情けなかったんだろう。
俺は悔しくなり言葉が出なくなった
うつ向いて笑顔を消した妹が目にはいる
そして
聞こえるのは波の音だけ
愛犬のたくましさ
私は幼稚園の頃に事故で目を無くした。
その前から絵を描くことが好きだった私は
目が見えなくなったことに
恐怖を覚え、迷いを生じ、大切なものを
失ってしまった孤独感が胸に突き刺さった。
あれからもう10年はたつだろうか
私はもう16になるところだったのだ。
懐かしいと感じるのは当たり前だろう。
私は今、学校に通っておらず、
愛犬のラブラドールレトリバー、すなわち
盲導犬をつれて家でくっついたりもすれば
毎日公園に風を当たりに散歩をしていた。
今日も愛犬と公園に来た。
耳で聞き取る限り、何時もより
子供が多いような気がした。
私はお気に入りのベンチに向かうと
そこにはもう先に、誰かが座っていたようだ。
話し声からして、男女のカップルだろう。
私は諦め、もう家に帰ろうとしたそのとき
冷たい水が降ってきた、、、
そう。これは雨。急に天候が荒れたらしい
愛犬もびしょ濡れになりものすごく戸惑うように
うろきょろしているのを手で感じた。
私も右往左往し、もうやむまでこのままじゃないと
ダメだなと思った。
怖かったのだ、この辺は土が多い。
万が一汗って転ぶのが怖かったのだ。
もうダメだと思ったとき、愛犬が向きを変え
急に吠えはじめた
「どうしたの!!?」
当然犬なので、私の言葉がわかるわけもなく
ひたすら吠え続ける。
もう私の頭はこんがらがり、
右往左往する気力もなくなって
その場に突っ立っていた
そこへ、
「大丈夫ですかー?」
「いま、屋根のあるところにいきましょうね」
さっきベンチの方から聞こえたカップルの声が
私のみみにはいってきた。
そう、愛犬が吠えたのは
助けを求めるため、私を助けるためだったのだ
その頃からもっと愛犬がすきになり、
いつまでもずっとそのままでいようと思った。
それに、私の恐怖もいつの間にか消えていた
私のすべてを愛犬が守ってくれると
感じたからだ
そんなことを思う
いつもの日常のひととき
目の見えない君と
どうでしたか?始めての作品は
少しでも良いと思ってくださった方々。
そう思ってくださるだけで幸いです。
これからもよろしくお願いします。