勇者様は辛いのです。 2.25
「彼女の本音」
今回は輝瑠君と憂香ちゃんがメインです。
豪華な部屋の向かい合った椅子に座っているのは輝瑠と憂香だ。
輝瑠が口を開く「憂香ちゃんは何でそんなに悲しそうな顔してるの?」
「そんなことないよ?あと私のことは憂香で良いよ。私も輝瑠って呼ぶし。」そう答える憂香。
「じゃあ憂香。スゴく今にも泣き出しそうな顔してる。」納得のいかない輝瑠
「そうかな?」誤魔化そうとする憂香
「俺で良かったら話聞くよ?何でも言って?」淡く微笑む輝瑠
「・・・・あのね、私ね小さい頃親に捨てられたの。」憂香が語り始める。
「禁忌を犯したから。カード使いなら、カード使いじゃなくても犯しちゃいけない禁忌を犯したの・・・正確には禁忌を犯したのは姉。私は姉の呪いを分けてもらおうとしたの。ずっと苦しんでたから・・・姉は呪いの力が強くて・・・死んだわ。私が貰えた呪いなんてごくわずか。・・・一族からしたら呪われてる子どもなんていらなかったんだよ。だから私は捨てられた。その時助けてくれたのが零様だった。あのお方は私が呪われていることを知って尚私のことを必要としてくれた。だから私はあの人に尽くすの。でも最近ずっと夢に見る。あのときの姉の歪んだ顔、悲鳴、血・・・親の悲鳴と、親戚のおばさんたちのあの嘲笑った顔・・・」憂香の体に異変が。だが輝瑠は気付かない
「怖いよ。また、捨てられたらどうしよう。寂しいよ。ここの人は零様以外みんなおばさんみたいな目してる。」
憂香の体が大きく震え出す。輝瑠が異変に気付いた。
「もう良いよ。」憂香を抱き締める輝瑠
「ありがとう。そんな辛いことを語ってくれて。大丈夫。零サンは憂香のことを捨てたりしないよ俺を信じて。。」
「輝瑠もルイも、私のことを嫌いになる。嫌。嫌。」憂香が泣き出す
「大丈夫だよ。俺を信じて。俺たちは憂香のことを嫌いにならない。絶対だ。」
「本当に?」
「ああ。本当だ。憂香が怖いと言うなら、俺は憂香の隣にいる。憂香が信じれないと言うなら、俺は憂香が信じるまで言い続けるよ」優しく微笑む輝瑠
「もう一度だけ、人を信じる。輝瑠を信じる・・・・」そう言いながら憂香は深い眠りに落ちていった
輝瑠は憂香をベッドに寝かすと静かに部屋を出ていった・・・
ー続ー
勇者様は辛いのです。 2.25
今回は重たい話ですねえ…
まあ、しばらくは重たい話が続きます。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです!
Twitterにてコメント、アドバイスを頂けたら嬉しいです!