母になる。運命が動き出す。

物語が始まる前に
自分が若いということ。自分が若いと言ったことで面白くないだろうと去ってしまう人もいるかもしれないが、一旦読んでみてフィクションかノンフィクションであるかを想像しながら読み進めていって欲しい。自分がこの物語の主人公になってしまったら、どうするだろうかと悩みすすめてほしい。

ある日なんとなくいった病院で母になるということを、医者から知らされた。
アルバイトでほぼギリギリの生活をしている彼女は、何も考えられず頭が真っ白になってしまった。


彼女の名前は花菜。花の成長のように綺麗に育って欲しいという気持ちを込められた名前だ。名前とはなかなか面白く逆に花とは無縁に近い道を歩んできた。まだ成人して間もない彼女は、動揺が隠しきれなかった。
気付いた時にはいつも通りふかふかの暖かいお布団にいたので、気のせいだということにして一旦深い眠りに落ちた。

「おはよう」と彼からのラインがきた。
彼女は真っ先に彼に相談しようと考えた。だが、彼はまだ20にもなってない学生である。文字を何度も打って消す作業が何度も続いた。泣きながら悩みつつも送って返事を待った。
「まじか。産むのもおろすのも任せる。」
任せるなんて簡単に言えるのは考えたくないからだろうと彼の心の奥を悟った。
彼女もまた全然考えてなかったため、必死で将来産むこととおろすという2つの選択肢を考えることにした。彼女自身は赤ちゃんがとても好きで、産みたいということが本音だった。ただ、養うことが出来ない。子どもに迷惑をかけるということを考えると簡単に産むなんて言えないと彼女は思った。簡単には出来ないまさかと思っていた。彼に「産みたい。」とだけ、短文で伝えると、「まだ学生としてまだ学びたいことがあるから」と任せると言った先程の男気ある彼は、何処にいったのかというくらいに結局おろせと言われた。話し合った結果、好いている方の負けで彼女が折れておろす決断をした。話し合いは2人とも泣きながらだった。出来てしまった命にきちんと向き合おうと、ちゃんと養うことが出来るようになったらその時きちんと育てていこうということになった。
おろすと決めたら、彼は全くおろす内容やお金などに全く興味も心配をしている素振りがなく、話の時も上の空の返事でゲームをしていた。彼女は思った、男は自分が痛くも痒くもないのだと。学生だからお金を請求なんて出来ないから、彼女自身もバイトでギリギリのためどうしようもできないが、なんとか自力で頑張ろうとしていた。
ところが、つわりや体調不良で何も出来なくなってしまった彼女をバイト先がよく思うはずもなく、クビになってしまった。バイト先は彼女の体調が良くなるためにもしばらく安静にという意味でやんわり退職を勧められてしまった。いっぱいいっぱいの彼女は、彼が興味もなくそばにいる時はゲームばかりの姿に遂に頭に血が登りきった。だんだん顔を真っ赤になっていく彼女にゲームをしている彼は気付く様子もなく、振り向いた時におじけづいた。。
つづく

母になる。運命が動き出す。

母になる。運命が動き出す。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2016-07-01

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