蠍座のα星〜ANTARESと過ごした日〜序章
どうもおはようございます?こんにちは?こんばんは?
この物語は半分実話…?かなぁ…w
まぁ…アレです。僕の夢が元ネタなんですよねぇ…w
だから、半分実話ってことで…?
ちなみに登場人物達の名前の設定はあるけど…
今のところ、ネット上で使ってる名前だけで物語を動かそうかなぁって思ってたり…w
これから、少しずつ更新するのでやらしくっ!
…いや、よろしく!
アンタレスを知っているか?
蠍座のα星。輝きは一等星。和名は「赤星」。
ANTARES…この名前を簡単に使ってはいけなかったと後悔しても後の祭りだったけど…。
あの始まりは、そう…5月のことだったかなぁ…。
「あちぃ…ヤバいヤバい…汗が止まらない…死ぬ…」
僕は、愛車のマウンテンバイクを漕ぎながら長い上り坂を進んでいた。
時間は夕方。ちらほらと帰宅途中の中学生や小学生とすれ違う。
僕は隣りの市の駅前にある高校に通う高校2年生。
将来の夢の為に公立の高校から私立の学園の高校に転入して1ヶ月ちょっと。
いまだに、自転車通学には慣れない日々を送っている。
……………誰か、マッサージしてくれてもいいんだからねっ!
あ……危ない危ない……あまりの暑さに意味のわからないコトを考えてた……。
っと…家に到着。無駄に広い庭を横切って玄関横に自転車を止める。
そして玄関をあけようとすると、後ろから声をかけられた。
「にい!にいも今帰ってきたとこ!?じゃあ、お土産は!?」
話しかけてきた馬鹿そうな少年は僕の弟。現在中学2年生の現役中2病患者だ。
「バッカ、高校から直接帰って来たっつーの」
簡単にあしらいつつ、一緒に家に入る。弟は制服を脱ぎ散らかして早速TVゲームを起動していた。
「…ったく、仕方ねぇなぁ」
と、言いつつ弟の脱ぎ散らかした制服をハンガーにかける。
「あ。にい!ありがとーっ!このお礼はいつかするよ」
「一回もお礼したことないけどな、お前」
皮肉を言いつつ、自分の制服もハンガーにかけていつも通り家事を始める。
僕達の家は6人家族。両親、父方の祖父母、僕達兄弟だ。
両親は仕事の都合で帰りがいつも遅いから、自然と僕が家の仕事をするようになった。
最初は、将来役に立つんじゃないか、家事ができたらモテるんじゃないかとワクワクしながら取り組んでいたが……。
そんなことでモテるのはイケメンか2次元の世界だけ。僕はイケメンでもないし2次元の存在でもないから、モテる訳がなかった。
今では、なんの抵抗もなく希望もなく、ただ黙々と家事スキルを上げ続けている。
すると、隣りの部屋から愚弟が大声で質問を飛ばして来た。
「にいー、今日の夕飯なにー?」
「なにが良いー?あと、兄さんを『にい』って呼ぶのやめろ。気持ち悪い」
「うーん…肉ー!……別ににいって呼んでもいいじゃーん」
「妹に『にい』って呼ばれるのは超賛成だが、弟は嫌だ」
「にい……発想が残念だよ…」
「存在が残念なお前には言われたくないがな」
売り言葉に買い言葉でいつもこんな感じだが、そこら辺の兄弟よりは仲が良いと思ってる。
「肉…肉かぁ…じいさん達も食べれる肉料理…麻婆茄子だったら豚のミンチを使えるな」
僕は冷蔵庫から、今日が消費期限の豚のミンチを取り出して調理を始める。
「…にいー、PC使って良いー?」
「うーん…僕のした設定を崩さないなら良いよー」
弟は了解了解〜っと浮かれながら、ノートパソコンを持って来た。
「馬鹿!キッチンでPCを使うな!汚れる!壊れる!お前が壊れろ!」
「にい…さりげなく酷い台詞が俺の耳に聞こえたよ…?」
「んあ?気にすんな。それはお前の耳が残念だから空耳でも聞こえたんだ」
「また、さりげなく酷い…」
そう言いつつ、弟は隣りのリビングでPCを開く。
「あ、起動の為にパスワードがいるんだけど、お前知らないだろ」
「いや…勝手に起動…した……いや、にい!ちょっと来て!」
弟がどうせ変なキーを押したのだろう…警告音が断続的に聞こえる。
「どうしたー?」
弟は黙って僕にPCの画面を見せる。
「……っ!?」
愚弟の差し出したPC画面を覗き込んで絶句した。
画面は真っ黒。そこに白色のプログラム言語と思しきアルファベットと数字が列んでいる。
なぜ「思しき」なのか。僕は詳しい訳ではないがプログラム言語くらい本などで知っている。
これでも博学な方なのだ!……浅く広くなのであまり役に立つことはないが……。
そして、画面の中には僕の知らないパターンで列んでいる。
「おいおい…こんな配列みたことない…なんだこのパターン…」
自分の部屋からプログラムの本を持って来て調べたが、わからない。
これは一体どんなプログラムだ…?そもそもこれはプログラムか?
弟が居間にあるデスクトップPCで検索をかけてみるが出て来ない。
「バカな……G◯◯gle先生でさえ知らないことが…この世の中にあるなんて…」
愚弟が馬鹿みたいな反応をしている。あ…馬鹿か。
しかし、さっきからこのビーッ!ビーッ!て警告音うるさいなぁ…。
「おい!我が愚弟よ…この警告音を消してくれ。我がノイズキャンセラーを持ってしてもうるさい」
「にい…中2病が出てるよ。ちなみにすでに音量はミュートにしているはずだよ…」
すると…ユーザーである僕達に真剣に警告を伝えたがっている訳か。
「おい…このプログラム言語っぽい羅列……」
「にいも気が付いた?」
当たり前だ。この文字列…さっきから更新され続けてる。
最初は2列だけだった羅列も今は画面がいっぱいだ。
「にい…これってハッキングじゃないかな…バグが発生してる可能性は…」
「なんで普通の男子高校生のPCにハック仕掛けてくるんだ?」
「それは…」
愚弟は考えているようだが答えが見つかる訳がない。
すると…うるさかった警告音がふいに消えた。
「にい…更新が止まったよ…」
「おい…この最後に点滅してる単語…知ってる」
知ってるもなにも…これは僕の第2の名前。本名ではやりにくいネットの世界の僕の名前。
『ANTARES…ーアンタレスー…』
僕と弟の声が重なる。
今、僕達の中には2つの仮定が存在している。
「にい…もしハック攻撃だったらハッカーはにいを知って攻撃してる」
「愚弟よ…もしバグだったら明らかに原因は僕を知っているやつが作ったウイルスが原因だ」
『どちらにせよ…僕(にい)を狙った攻撃っ!』
またも、兄弟は口を揃えて叫んだ。
「おいおい…僕、恨みを買うような行為はしてないぞ!?……たぶん」
「にい…あのさぁ…もしかして無差別攻撃じゃないかな?」
「馬鹿なの?『アンタレス』って単語が出てるじゃん」
「違う……にい、違うよ!もしかしたらウイルスの名前が『アンタレス』かもしれない!」
「……っ!?」
おいおい…偶然か?偶然、ANTARESのもとにアンタレスウイルスとやらの攻撃が?そんな馬鹿な…。
すると、いきなり画面に『YES/NO』の点滅文字が出て来る。
「にい……YESってクリックしてみない?」
「なんでだろうなぁ…僕も今、YESをクリックしたい気分だ」
ここまで振り回されたからだろうか。もっと知りたい。なんなのか。アンタレスがなんなのか…。
僕は……知りたい。そしてYESをクリックしようと……。
「にい……PC内の情報…全部、流れるかも…」
「なんでためらわせるようなこと言うんだよっ!今、良い流れだったじゃねぇか!」
「いやぁ…急になんか…うん…冷静になって」
そういって弟は舌をペロッと出してウインクする。
「シャラップ!」
僕の上段回し蹴りが弟の首に綺麗に吸い込まれる。
「ひぐっ!?」
愚弟の口から世にも奇妙な声が発せられて白目をむいて倒れる。
「お前は良い奴だったよ」
そう言って、またカーソルをYESにあわせる。
「どうせハックされた時点で中の情報なんて流れてる可能性があるんだ…今更ためらうことなんか…」
あ……18禁なデータ……僕名義で流れちゃってるんだろうか。
「もう知らないっ!僕が変態だって皆知ってるはずだからっ!」
もう自虐的にYESにカーソルあわせてエンターキーを強く叩く。
すると、スピーカーから綺麗な女の人の声が聞こえた。
『YES…Has been received.Thank you for your understanding.』
「YES…受け付けました。貴方の理解に感謝します。」
なんとか和訳して確かめる様に口に出す。一体なにを言い出したんだこのPCは…。
すると今度は男の声で…
『You have a perfect answer we seek. Please cooperate with your friends.
And…please help us. You can do it. You've captain. I save the world led them this.』
なんて言った……?なんとか思い出して和訳を口にする。
「貴方は私達が求める完璧な答えを持っている。貴方の友人と協力して下さい。
そして…私達を助けてください。貴方ならできる。貴方が隊長だ。彼等を率いてこの世界を救うんだ。」
…なんだ?完璧な答え?友人?協力?隊長……率いて…?
「いったい……なんのことだ…」
「来い、コチラ側のANTARES。きみに仕事だよ。魔王になって…」
いきなり後ろから声がして、振り返ると……
僕は強い光を浴びて気を失った。
最後に見た風景は…
部屋の壁と天井とインテリア……そしてさっきまでいなかったはずの、白いスーツを着た金髪の青年だった気がする。
彼が最後になんて言っていたのかはわからなかった…。
蠍座のα星〜ANTARESと過ごした日〜序章
いかがでした?すこし…めんどくさい設定かなぁ…?
まぁ、気長に読んでくれると嬉しかったり…w