夏
郵便配達員が伏せ字だらけの新聞を届けてくれた。
今鳴ったのが自転車のベルか、風鈴だったか分からない。
僕は縁側で機械油の味がする煙草を吸っている。
どうでもよくなってしまった。
吐いた煙か、入道雲かも分からない。
そのうちに、虫かごを下げた少年達が家の前を通りすぎる。
かぶとむしなんていないのにな。
この青い空はいつまでしらを切るつもりだろう。
少年達の口ずさむ国歌が、夏の風を散り散りにした。
夏
郵便配達員が伏せ字だらけの新聞を届けてくれた。
今鳴ったのが自転車のベルか、風鈴だったか分からない。
僕は縁側で機械油の味がする煙草を吸っている。
どうでもよくなってしまった。
吐いた煙か、入道雲かも分からない。
そのうちに、虫かごを下げた少年達が家の前を通りすぎる。
かぶとむしなんていないのにな。
この青い空はいつまでしらを切るつもりだろう。
少年達の口ずさむ国歌が、夏の風を散り散りにした。
夏