Hospital∞schooL
夢で見た不思議な物語を小説で書きました!!!!
これから先の物語は私が勝手に作るものですが、ここで書いた物はほぼ私が夢で見た物と同じ物語です!!
読んでいただければ光栄です!!!!
始まりの物語
ここは可笑しい...
偽物の世界だ...
この病院には常人ではない患者が入院する場所...
それぞれ身体に病を患い、普通の病院では治療が受けられず、世の中に馴染めない者が来る場所...
病院である場所だが患者の為の特別学校でもある。
吸血鬼であり、心臓に病を抱えた少女...
人狼であり精神に病を持つ青年...
超能力を持ち、夢遊病の少女...
水その物が身体となり表の世では生きていけない青年...
様々な病状の元...Hospital∞schooLで生活している。
今ここで起きていること...これはすべて嘘としか思えない事。
ありえない事...ありえない者が現実に存在している...
__________チャイムが鳴り響く。
髏骨黎命「よぉ~し、今日の授業は終わりだぁ~。病室に戻れぇ~。」
やる気の無い声を出すのはこの病院の医師であり教員である髏骨黎命(ロコツ レイメイ)。
見た目は普通だが、彼も人間ではなく、過去に死んだ所謂ゾンビのような物である。
彼の担当するクラスには、吸血鬼であるマリー・イザベルと超能力を持つソフィア・スコット。
そして彼が担当する患者はマリーの恋人であるライト・ノーム、ソフィアの恋人であるルイ・シュ-ベル。
ライトは人狼であり、今は落ち着いているが、満月の夜には人狼特有の精神異常をきたす。
ルイはというと、見た目は人間同様だが、身体が水出てきているため、熱を当てられれは蒸発し、その身が消え失せてしまうという特殊な体質である。
____________
黎命は教室を出て、ライトとルイの病室へ行く。
黎命「おぉ~お前ら元気かぁ~」
ライト「元気かどうかは黎命が確かめるんでしょ?」
ライトとルイはクスクスと笑いながらベッドの上に座っていた。
黎命「あぁそぉ~だ、お前らのガールフレンド...なんだか様子が可笑しい。」
「診察はしてみるが...見張っとけよ」
ライト「様子が可笑しいって...身体悪いの?!」
ルイ「大変じゃないですか!今すぐにでも治療をッ!!」
ライトとルイは焦り、黎命に治療を懇願する。
黎命「待て待てぇ~、そういう事じゃない」
「俺はアイツらの主治医じゃねぇから身体の事はわからねぇが...なんだか顔が曇ってたからなぁ...」
「アイツら特有の事だといけねぇから診察してみるって言っただけだ」
ライト「ルイ...」
ルイ「うん...」
ライトとルイは病室を飛び出していく。
黎命「あッ!!お前らッ!!」
「あぁ~ぁ~、行っちまったぁ~」
「ッたく、仕方ねえなぁ...人肌脱いでやるか...」
マリーとソフィアの病室に着くと、ふたりは暗い顔でヒソヒソ話をしていた。
ライト「マリーッ!!」
ルイ「ソフィアッ!」
ふたりは驚いた様な顔をして振り返った。
マリー「ライト...」
ソフィア「ルイ...そんなに大声出してどうかした?」
平然とする2人に、ライトとルイはキョトンとする。
ライト「何かあったんじゃないの?」
マリー「ぇ、何も無い...けど...?」
ルイ「黎命先生が2人の様子がおかしかったって...顔が曇ってたって...言ってたから...」
ソフィア「あぁ、それは...マリーが変な夢を見ただけなの」
「多分私が近くにいる影響ね」
どうやら身体に何かあったのではなく、マリーがおかしな夢を見ただけであった。
ライト「なッ、なんだぁ...夢かぁ...何もなくて良かった...(汗)」
ルイ「で、その夢ってどんな夢だったの?」
ルイの発言にマリーとソフィアの動きが止まる。
ライト「マリー?」
マリー「その...それが...とっても怖い夢なの...」
ソフィア「聞かない方がいいと思うけど...」
マリーとソフィアの顔は暗く、俯いている。
マリー「この学校の屋上...そこに私たちは逃げていったの...とても熱いなにかに追われて...」
「学校のみんなは...そのなにかに溶かされて行った...骨も残らず...」
「屋上に隠れていた私たちはすぐに見つかって...辺りは一面マグマと火の海になった...」
「島の様にマグマの上に浮いたコンクリートになんとか4人乗ったのだけれど...そのコンクリートも溶かされて行って...」
「熱でルイは蒸発して消えてしまった...ソフィアはルイを追うようにマグマで溶かされて...溶けていくみんなを見て...私とライトも...」
そこまで話すとマリーは顔を手で覆い、小さく震え始めた。
ライトとルイは夢の話を聞くなり青ざめる。
ライト「で、でも...夢なんでしょ?」
「それなら...」
ソフィア「それならいいの...だけど...その日にちが恐ろしい...」
「それは...2月29日...閏年」
そう、閏年の2月29日、決まってこの病院では騒ぎが起きる。
吸血鬼、超能力、人狼、水人が暴走する。
3年前の閏年...その日は大変なものであった。
マリーは患者、そして病院外の人間の血を飲み、外の世界では血を飲み干され、骨と皮だけになった死体が見つかった。
ライトは狼の姿に変わってしまい、マリーと同じく病院外の人間を殺傷し、バラバラになった身体の一部がそこら中に転がった。
ソフィアは超能力を制御できなくなり、病院諸共宙に浮いたり人の心を読んだ本人は泣き崩れるなどの荒れ放題。
ルイは世にある綺麗な水...湧き水、聖水、すべてを自分に取り込み、その日は世に水という必要不可欠な物が無くなり、水神様の怒りだと世論は騒ぎ立てた。
このようなことがいっせいに起きる閏年...それはこの病院にいる医師達全員が恐れる日...。
医師達は自らを抑えるために、その日が来る前に小さくガラスの様な薬を飲む。
この4人にも飲ませればいいと考えたが、その薬は医師達の分しか用意がされておらず、暴れる患者を抑えるのも医師の役目だと割り切っている。
ライト「次の閏年は...」
「来年...」
ルイ「あと半年...」
ソフィア「本当に起こるかどうかもわからない事なの!」
「だから今は楽しく過ごしましょ!!」
マリー「ご、ごめんね、こんな暗い話...しちゃって」
「いッッ」
マリーが急に胸を抑えた。
ライト「マリー!!!!やっぱり...黎命の言う通り身体悪かったんだ!!!!」
「早く先生を!!!!」
マリー「だッ、大丈夫!!悪いわけじゃないの!最近たまになるだけなの!」
「生活に支障はないから大丈夫!!」
ライト「でもッ!!」
そんな会話をしていると病室に黎命が入ってきた。
黎命「おぉお前らぁ~、ちょっとそこ退いてくれるかぁ~」
黎命の手には聖水と純銀の十字架が持たれていた。
吸血鬼には十字架は効かない、純銀の杭で刺すか純銀の弾を込めた銃で撃つか...どちらも心臓を貫か無ければ吸血鬼の命を滅する事はできない。
黎命「マリー・イザベル、横になれぇ~」
マリーは以前にもこのようなことがあり、これは吸血鬼の血が騒ぐ前に抑えるという治療の一貫であるが、吸血鬼である彼女が聖水をかけられ、純銀を心臓部に押し付けられるのは、身をゆっくりと切り裂かれるよりも苦痛であり、拷問同然なのである。
そのため、マリーは頑なに拒んだ。
マリー「いや...嫌です!!!!」
黎命「そぉ言うなぁ~、お前のためだ」
「後になってからじゃぁもっと辛いぞ」
黎命の言葉通り、吸血鬼の血が騒いでからでは普段の何千倍、何万倍もの苦痛になる。
しかしその治療をしたくないマリーは黎命に捕まらないように黎命から離れながら病室から逃げていった。
ソフィア「マリー!」
ライト「黎命...マリーはなんであんなにそれを嫌がって...」
黎命「そりゃぁそうだぁ...吸血鬼にとってこれは恐怖の対象だからなぁ」
「聖水をかけ、心臓部にこれを押し付けて治めるんだぁ」
「こりゃぁアイツにとってはジワジワと身を引き裂かれるよりも苦痛なんだぁ」
「お前らアイツを夜までに連れ戻せぇ」
ルイ「夜までに?その前に...マリーは胸が痛いと言っていました」
黎命「それよ、それが吸血鬼の血が騒ぐ前兆だぁ」
「それで俺がわざわざここへ来てやったんだぁ」
「他の医者は吸血鬼相手を頑なに嫌がるからなぁ」
そう言って黎命はライト達に早く探すようにと病室から出す。
3人はいくら探してもマリーを見つけるとこができず、ついに夜になってしまった。
病院の入口に集まった3人の元へ黎命が聖水と純銀の十字架を持ってやってきた。
黎命「もうタイムアップだぁ、お前らくれぐれもあいつに見つからんよぉになぁ」
それだけ言い、黎命は目を閉じた。
すると周りを息もできないほど淀んだ空気が覆い、黎命の肌は流れ落ち、骨だけになった身体からは何個にも分かれた霊魂が抜けていった。
ライト「黎命?!」
ソフィア「なッ、なにこれッ」
しばらくすると霊魂が骨の元へ戻り、溶け落ちた皮膚が再生し、元の姿に戻る。
ルイ「せッ、先生ッ...」
黎命「あぁ...お前達は初めて見るんだったなぁ」
「今マリー・イザベルを見つけたぁ...この上だぁ」
「伏せてろぉ」
黎命がそう言うと、天井が崩れ落ち、そこには普段の紫色の瞳のマリーでは無く、真紅に染まった瞳を光らせるマリーがいた。
ライト「マリー!!!!」
その声に反応するかの様にマリーは3人の元へ物凄い速さで接近する。
そこを危機一髪黎命が抑える。
マリーは別人のように豹変し、その姿はまるで人を喰らう魔物であった。
鋭く尖る牙を見せ、唸りを上げるマリーに黎命が聖水をかけようとした時、マリーは黎命の腕を噛みちぎった。
死んだ身体の黎命は痛みも感じず、血も出ないが、それを見た3人は肝を冷やした。
マリーは黎命の手から逃れ、患者が眠る病室の方へと行ってしまった。
黎命「まずいなッ...」
初めて見る黎命の真剣な表情に、3人は患者に危機迫っていることを察した。
ソフィア「先生、私がマリーの気持ち...読んでみます」
そう言ってソフィアが目を閉じ、マリーな去っていった方向へ手を向ける。
ソフィア「マリーは...お腹が空いた...そう言ってる...」
黎命「やはりな...」
ライト「やはりって...どういうこと?!」
ライトの問いに黎命は真剣な表情で言った。
黎命「普段人の血を飲んでいないアイツは吸血鬼の血が暴走する時、異常な空腹に襲われる。」
「空腹を満たすために誰振り構わず血を吸い尽くす...」
「皆あいつの治療を嫌がるのはもし治療のせいで暴走した時...殺されるのが嫌だからだ...」
「俺はもう既に死んでいる...この身に血液というものがないから狙われないがな」
すると病室から悲鳴が聞こえてきた。
「キャァァァァァァァァァアッ」
ライト「黎命ッ!!!!」
黎命と3人は悲鳴の聞こえた病室へ走った。
するとそこには患者の首筋に噛み付き、血を吸うマリーがいた。
血を吸われている患者は、血の気が無くなり、青白くなっていた。
マリー「フフフッ...美味い...1滴残らず吸い付くしてくれるッ!!!!」
黎命「まずいッ!!」
黎命が患者の元へ走り、マリーを患者から引き剥がす。
患者の傷は、吸血鬼特有の唾液で塞がっており、流血はしていない。
マリーはソフィアに目をつけ、血を吸おうと走る。
ルイがとっさに人の姿では無く、水そのものになり、マリーの顔にまとわりつく。
それもすぐに振り払い、マリーは病室から出ていってしまった。
ルイも元の姿に戻り、4人はマリーを追う。
するとマリーは病院のガラスを割り、外へ出ていた。
黎命「いよいよまずいこのになった!!!」
「なんとかこの病院の敷地内で足止めしねぇと!!!!」
黎命の言葉に、ソフィアが風を起こし、マリーの周りを取り囲む。
ライトがマリーの元へ走り、マリーを押さえつける。
ライト「マリー!!しっかりしろ!!俺だ!!!!」
その言葉も今のマリーには届かず、マリーはライトの首に鋭い牙を突き刺す。
ライト「ぐぁッ!!」
黎命「ライトッ!!!!!!!」
そこへ黎命が走って来る。
ぐったりとするライトからマリーを引き剥がし、その場で聖水をかける。
マリー「キャァァァァァァアァアアァアッ!!!!」
聖水が当たった皮膚は焼け爛れ、すぐに塞がる。
マリーの悲鳴が病院中に響き渡る。
その叫びも無視し、黎命はマリーの心臓部に純銀を押し当てる。
マリー「イヤァァァァアッ!!!!」
「痛いッ!!!!痛いィィィィイッ!!!!」
「ギャァァァァァアァァアアアッ!!!!!!!!」
マリーの悲痛な叫びに、3人は耳を塞ぐ。
黎命「マリー・イザベル!!!!あと少しの辛抱だ!!!!!!!!」
「耐えろッ!!!!!!!!!!!!」
黎命の言葉とは裏腹にマリーの悲鳴はより一層悲痛な叫びとなっていく。
人狼であるライトは回復力が高く、既に普段通りに戻っていた。
ライト「黎命ッ!!!!マリーが死んでしまう!!!!!!!!」
黎命の手より一層力が篭ると、マリーの目が段々に元の紫色に戻っていく。
黎命が純銀の十字架を縦に持ち、刺す様に心臓部に押し当てると、今まで以上に悲痛な叫びが上がった。
悲鳴が聞こえなくなり、ソフィアが風を収めると、そこには倒れ、目を閉じたマリーがいた。
ライト「マリー!!!!!!!!マリー!!!!!!!!」
「黎命!!!!マリーはッ!!!!」
黎命「一段落だぁ...気を失っているだけだぁ、安心しろぉ」
「全くひどい日だったぁ」
「病室で寝かせておけぇ、朝には普通に目を覚ますはずだぁ」
黎命はいつもの如くやる気のない口調で病院の中へ入っていった。
ライトはマリーを抱き上げ、病室へ連れていく。
ベッドへ寝かせると、スヤスヤと眠っているようだった。
ソフィアもベッドに入り、ライトとルイも病室に戻った。
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to be continue
Hospital∞schooL
この間で読んでいただき、ありがとうございます!!
次回もお楽しみに!!!!