ToSo

死んだ後のことは
どうでもいいからさ
僕が生まれてこなかった世界を
始めから見てみたいんだ

母のお腹に宿ることなく
何もなかった世界で僕は
ようやくあなたのことを
呼べる気がしたんだ

青い青い空になって
真っ白な雲になって
少しくらいはあるのかな
間違いだって言える何かが

揺れる木漏れ日に唄う
遥か遠くに願う
ほんのちょっとでもいいから
何かを変えた痕跡が何処かに

目覚まし時計を止めて
君はまた布団に潜り込む
誰かに呼ばれた気がして
「おはよ」と布団から顔を出したりして

なんて

些細な違和感でもいいんだ
そこに誰もいなくたっていいんだよ
実は正解は別の世界にあって
僕だけがそれを知っているんだ

広い広い大地になって
壮大な山になって
僕に見つけられるのかな
間違い探しの答えが

触れた辻風に乗せる
遥か遠くへ運ぶ
ほんのちょっとでもいいから
何かを変えた痕跡が何処かに

あればいいな
夜が太陽に恋をして
いつも毎日を追いかけていた
僕が生まれてきた時にはもう
僕が生まれてこなくてもそう
みんながそれを知っていたんだ

当たり前のように流れてく
現在を眺めていたんだよ
君と同じ場所で
そしてようやく気が付いたんだ
君もそこで見ていたんだね

近い誓い違いの中で
僕が生まれてこなかった世界の僕へ
ささげる
答え

ToSo

ToSo

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-06-22

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