惑星と観覧車
星はひとつだけ、私は流れ星のように流れて消えてしまわないように
機械仕掛けの惑星は静かに動いていた。
日の沈み、月がぽっかりとその口を開けるころ
あの地上から眺めていたのはただの観覧車じゃなかったんだ。
息をゆっくりと吸い込んで、吐いた
白い息はやがてその間に隙間があるかのようにするりと消えていく。
地上では日が沈むと共に照らされたいくつもの光があった
今の私は惑星に住む異界人で
物珍しさで地上を闊歩していたんだろうと勘違いするほどに
その光景は綺麗だった。
でも、そんな空想はあと数十分で終わる
終われば、私は向き合わなければならないあの2人と
どうかその勇気が出るまで、この星が止まっていてくれればいい
惑星と観覧車