身体測定
新一くんと蘭ちゃん身体測定です
四月。
新学期を迎えた帝丹高校では、男子にとっても女子にとっても春の一大イベントである、「身体測定」が行われようとしていた。
〜〜3年B組〜〜
「はーいみんな静かに!!これから身体測定を行います。女子から出席番号順に保健室に入って!」
3年B組の担任が生徒たちに保健室に入るよう促す。
「「「はーい」」」
ポッチャリ気味の女子は憂鬱そうに、また身長の高い男子は嬉々として、各々に保健室へ向かう。
「蘭…あたし最近連日パパの知り合いのパーティにお呼ばれしてたからやばいかも…」
園子が憂鬱そうに蘭に近づいてきた。
「えー?そんなことないって。大丈夫よ。」
蘭は軽く首を傾げた。
「蘭はスタイル抜群だから良いでしょうけど、私たちにはいろいろあるのよ。」
他の生徒も話に入ってきた。
「スタイルなんて良くないから!私だって最近…ブラがキツくなってきちゃって。…太ったかなぁ…」
蘭が自分の胸を見降ろしながら答えた。
「蘭…天然もそんくらいにしときなさいよ」
園子を含めた女生徒たちが一斉にため息をついた。
〜〜保健室〜〜
「じゃあみんな、制服のシャツとスカートを脱いで、下着だけになってね。」
「「「はーい」」」
養護教諭の指導で女生徒はみんなブラとパンツだけになった。
「蘭!その下着可愛い!どこで買ったの〜?」
蘭の下着はピンク色にレースがあしらわれた上下セットのものだ。
「え?これはね、えーっと、駅前の………ひゃあっ!?//」
蘭の抜群のプロポーションに、思わず二三人の子たちが蘭の胸を触ったのだ。
「え?え?ちょっとなに??//」
蘭が戸惑っていると、
「いいじゃ〜ん、別に減るもんでもなし。蘭の胸、一回触ってみたかったんだ〜!」
「わたしもわたしも〜!」
と、蘭は胸を友人たちに好き放題される。
「やぁっ、恥ずかしいからやめてよ〜//」
〜〜その頃、男子は〜〜
その頃男子生徒は保健室の前の廊下で待機させられていた。
「あー、女子遅ぇなぁ…」
「ほんとほんと。まじ暇だよな。」
「じゃ、そろそろ毎年恒例のあれ、やっちゃいますか。w」
「「いえーい!」」
帝丹高校でも有名な変態トリオがなにか企み始めていた。
「…おい、もーちょいそっち寄れよ…」
「あ?お前こそそっち寄れるだろ。寄れ。」
「お前らうるせーよ、もうちょっとで見えそうなんだから…」
3人組は保健室の窓から保健室の中を覗こうとしていた。
「おいおいおめーら…気持ちはわかるけどな、覗きはスマートじゃねぇと思うぜ…?」
見かねた新一が3人に話しかける。
「うるせーな!」
「お前はいつももてまくってるから俺らの気持ちは分かんねーんだよ!」
「そーだそーだ!」
3人は抗議の声をあげた。
「…んなことしてっからもてねーんじゃねぇの?」
新一はボソッと呟いたが、諦めて自分の場所へ戻ろうとしたその時、
「おっ!見えた!」
「どれどれ?ひょーっ!顔見えねぇけどスタイル抜群!ピンクのブラにお揃いのパンツか!かわいーっ♡」
「あれ誰だよ、他の女子に触られまくってるぞ!もーちょっとで乳首まで見えそーじゃんか!!」
「んー…あっ、こっち向くぞ!」
「あっ!あれは…毛利!」
「ラッキー!」
その刹那。
ダンッッッ!!!!
「ひっ…!?」
新一の足がが3人のすぐ横の壁に蹴りつけられた。
「お前ら……なに見てんだよ………?」
真顔で近づいて来る新一の迫力に3人は後ずさった。
「あっ…いや……」
「なに見てんだって言ってんだよ。」
どもる3人。
「誰が蘭の下着姿見ていいっつったよ。あぁ?」
遂に新一は言い出しっぺの胸倉を掴みあげた。
「だ…だってよぉ…別に毛利はお前のもんでもなんでもねぇんだろ?」
新一は少し下を見てから叫んだ。
「…蘭はおれのもんだっ!!!!」
ガラッ
「し、新一…??//」
新一が叫ぶのと同時に蘭たち女子が保健室から出てきた。
「らっ…蘭!?!?」
蘭は顔を真っ赤にしてこちらを見ている。
周りの女子たちは、
「ほら、行って来なよ」
とか、
「旦那が待ちくたびれたってよ」
とか、適当なことを抜かしている。
「新一…今の、…どういう意味…??//」
「き、聞いてたのか…??」
新一はやっと覗き野郎の胸倉から手を離し、蘭の方を見た。
「わたしは…新一のもの…なの??//」
蘭は真っ赤な顔をこちらに向け、尋ねた。
「…っ!」
新一は一瞬狼狽えた。
そして。
「…俺のものに…なって、くれるか…??」
「……!!!//」
突然の告白。
蘭は驚いたが、すぐに満面の笑みになった。
「もう……遅いよ//」
それは、照れ隠しの、承諾の返事。
新一は蘭に駆け寄り、蘭を抱き締めた。
「蘭っ…!好きだっ!!愛してる!!出会った時から、ずっと…!!//」
ぎゅううううっと、蘭が苦しいくらいに力を込めた。
「わたしも…新一が好き。大好き。//」
絞り出すような蘭の声。
2人からはラブラブ光線が発せられていた。
そのとき。
「あのー…俺らも、いるんだけど…」
「次、俺ら身体測定だし」
「2人の世界に入るなよな…//」
完全に存在を忘れられた男子たちが、もう見ていられないと抗議の声をあげた。
「あっ//」
蘭は途端に耳まで真っ赤になる。
「あの、工藤くんに毛利さん??そろそろ、いいかしら…身体測定再開しても…」
養護教諭の先生まで顔を赤らめてこちらを見ていた。
「あっあのっ!!すいません!!許してください…!//」
蘭は身体測定を止めてしまったことに平謝りする。
「すいませんでした。でも、俺明日測定来るので、今日はこれで早退します。良いですよね?」
新一の鋭い目に見つめられるとNOと言える人はほぼいないだろう。
「えっえぇ……」
新一は蘭の手を引いて歩き出した。
身体測定
なんか妙な展開に…汗