闇夜児童忌憚

らいら

※この小説はcocのボイセに多少の改変を加えたリプレイです
※流れは変えていませんが小説という形をとるにあたり、会話等に誇張、削除、改変がありますのでご注意ください

登場人物

芹沢 樹乃(セリザワ/キノ) PL:らいら
22歳。非日常に憧れ大学の法学部を中退、柚木探偵事務所の所長(と言うより唯一のスタッフだった)に弟子入り。現実はそれなりに見えているため、普段の仕事が猫探しでも浮気でもそれなりに楽しんでいる。
所長の柚木 蓮(ユズキ レン)のやる気があまりなく、フラフラ遊び呆けているため彼女も振り回され気味。

性格は温厚で真面目だが、若干ビビり。探偵に向いていない自覚はあるようだ。
童顔なため、高校生くらいに見られることもしばしば。

伊舘 月灯(イダテ/ツキヒ) PL:ペイデー
高校二年の女子。おっとりして人当たりのいいような性格だが自称「頭がおかしい」
趣味特技は料理。日々研究しており自分でも他人にも美味しいと言われる料理を作るのが夢。
幼いころ病で右目を失明しているが、左目の視力はいいので日常生活に問題はない。

贄川 乃羅(ニエカワ/ノラ) PL:和書意
25歳。ピアノ演奏者。時折頼まれて学校にピアノの講師として行く事もある。
本人は社交的でいろいろな人と話をするのが好きなのだが体が病弱な事もあり、あまり無理ができずちょっと不満。
オカルトや不思議な話題が大好きでよく本を読んだり話を聞いたりする事が好き。

導入

【伊舘 月灯の場合】
買い物からの帰り道、ふと顔を上げれば前から見慣れた影が走ってくるのが見える。
後輩の邑咲ちゃんと小熊ちゃんだ。
軽く手を振るとあっちも気づいたみたいで、私の近くまで駆け寄ってきた。
「あっ、月灯せんぱーい!こんにちはー!」
「こんにちは」
「こんにちは、ジョギング中?」
「そうでーす!」

私に合わせて歩くスピードを落としながらそう言えば、と思い出したように口を開く小熊ちゃん。

「伊舘先輩は、昨日のテレビ見ましたか?ホラー番組で、七不思議の特集だったんですけど」
「うーん…?見てないなぁ」

それを聞いた邑咲ちゃんは、ぷぅっと頬をふくらませると不満げに訴えてきた。
「豊、今日その話ばっかりしてるんだよ!?」

あぁ、一回ハマったら抜け出せなくなっちゃうんだな、と思わず笑みがこぼれた。
「小熊ちゃんって、オカルトとか好きなの?」
「いえ、そういう訳じゃないんですけど、なんだか七不思議の話、いい所で次週に続くって感じで…そういうの、先輩は怖くないですか?」
「へぇ、良かったらその内容教えてくれたら嬉しいな。」
「あ、えぇと……」

小熊ちゃんが話したのは割とよくある七不思議。
歩く骨格標本とか、花子さんとか、首無しバスケ少年とか。
思わずありがちだね、と言葉が出てしまったけど、それにそうですね、と返す小熊ちゃんの表情は若干陰っていた。

「あれ、小熊ちゃん怖いの嫌いなの?」
「恥ずかしいですけど…少し。」
「えーっ、怖くないよー!」

まぁ確かに邑咲ちゃんはオカルトとかあんまり信じてなさそうな感じがする。
そこまで話すと一区切りついたのか、ふたりはまたジョギングを再開して駆け出していった。

─────

【芹沢 樹乃の場合】
「なぁ、キノコー」
「だから私は樹乃だって何回言ったらわかるんですか師匠…」
「未熟だからキノコでいいんだよ、キノコで。お前、こういうのどう思う?」

時は何となく雲行きの安定しない六月のある日、師匠が指さした先にはB級ホラーの特集を組んだ番組。
廃校の都市伝説がどうのこうのと言っていて、なんとなく地元ローカルな雰囲気が漂っている。

「…そう、ですね。基本的には信用してませんけど、こういう噂があるってことはなにかしらの事件があったのかな、と。」
「信用してない、ねぇ…とりあえず色んなことを疑ってかかるのは探偵の基本だぞ?」
「美人の奥さんから浮気調査が来る度に舞い上がって事件の本質見えなくなる師匠には言われたくないですー。」

そんな軽口を叩きあっていた矢先、来客を知らせるインターホンがなる。
入ってきたのは見覚えのある人で、よく飼い猫探しを依頼してくるおばさんだ。
今日もいつもと同じ依頼で、師匠は慣れた素振りで出かけていった。その間とりあえず依頼人さんの対応をする私。

「あ、そういや助手さん、霞ケ丘小学校って知ってるかしら?」
「あぁ、ついさっきまで心霊番組で特集組んでましたよ。あんまりちゃんと見たわけじゃないので詳しくは知りませんけど…」
「んー、そこの話なんだけどね?あそこ、10年前位に廃校になった小学校なんだけど、何でも最近夜な夜な幽霊を見かけるようになったらしいのよ。」

幽霊、ね…私はどうにもその手の話が苦手だ。さっき師匠に言ったようにあまり信じてるわけじゃないけど…なんと言うか、気味が悪い。

「そうなんですかー、不審者とか入り込んでないといいですけどね」
「そうねぇ、警察沙汰にはならないといいわね」

依頼人もそんなに深く考えていたわけでもないのかあまり突っ込んではこなかった。

─────

【贄川 乃羅の場合】

ふと見た新聞のテレビ欄には、七不思議特集の文字が浮かんでいた。
面白そうな雰囲気だったから楽しみにして録画してたんだけど、いざ放送してみるとどれもこれも煽るだけ煽って待て次週、といった様子で終わってしまう。

「なんだー、せっかく予約してたのにー。後で聞かなくっちゃ。」


数日後、指導も終わってさぁ帰ろう、と言う時、ふたりの生徒に声をかけられた。
見た目もわりときゃぴきゃぴしていて、話好きな子達。

「あの、ノラセンセー、ノラセンセーは、霞ケ丘小学校の噂って知ってますか?」

あぁ、この前の番組の事か。ピン、と来た。

「ふふっ、先生はオカルトが好きですからね~。勿論番組も見てましたよ?」
「あっ、あたし達も見てたんですよ~!だけどー、なんかあの学校ー、他にもガチでやばい噂とかあるみたいでー。」
「例えばー、あの学校、夜に前を通ると誰もいないはずなのにチャイムがなったりー、ピアノの音が聞こえたり、窓から白い顔が見えたりするらしいんですよー!」
「まぁ、怖い~。でも、ちょっと見てみたいと思わない?」

微笑みながらそんな事を冗談交じりに言えば、片方は興味があるみたいだったしもう片方はキャッキャと怖がってるみたいだった。

─────

そうして貴方達は家路につくでしょう。
黄昏時、いつもと変わらない日常の中、外を歩いていると周りの景色はぐらりと歪み、視界は定まらなくなり、足が地につかないような、体が酷くふらつくような、そんな感覚に襲われます。
それでも、あなた達の足が歩みを止めることはありません。

朦朧としていた意識がはっきりしてくると、目の前には小学校のような建物が見えてきます。あたりは既に、真っ暗闇になっていました。
その校舎は木造二階建てで、窓が割れていたり、壁が腐りかけていたり、いかにも廃校といった様相を漂わせています。

それでも貴方達が歩みを止めることはありません。
校門の前まで歩み寄ると、ガラガラと錆びた音と共に門が開きます。
貴方達は自分の意志とは関係なく、開け放たれた昇降口へと歩を進めました。

靴箱からあるはずのない上靴を取り出し、履き替えた直後、背後でばたん、と昇降口の扉が閉まる音がしました。
そうして貴方達は我に帰り、思う事でしょう。

『どうしてここに、いるのだろう』と。


【闇夜児童忌憚】

闇夜児童忌憚

闇夜児童忌憚

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-06-13

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  1. 登場人物
  2. 導入