あかねちゃんのルージュ

亀梨 伊織

童話っぽいかな~。
short‼

『あかねちゃんのルージュ』

トローリ、トローリ。
小さな宇宙の容器の中で泳ぐ
ルージュ。
まだ見ぬ主を希求していた。
輝く我が身を、暗い闇のこの場所から抜け出して 、空気に触れることを願いながら。
温かい手で握りしめてくれたのは、
あかねちゃんだった。
あかねちゃんは、とってもいい人。
ルージュのキャップを外して、
あかねちゃんは、こう言った。
「んーいい匂い。」
以来あかねちゃんと、毎日顔を会わす。
だから叫ぶんだ。
いつも。
“おはよう”
“こんちわ”
もちろん、音にはならないから
あかねちゃんには、
聞こえないけどね。
でも響いてくるんだよ。
ルージュを曳くあかねちゃんの
ドキドキする脈が、
唇から伝わってくる。
そうすると、ルージュの
トロけるような体は、
真っ赤に変化する。
あかねちゃんは
性格のかわいい娘で、
ルージュは素敵に飾ってあげたいって思うんだ。
大切にルージュを扱う
あかねちゃんが
鏡の向こうで微笑むと
ルージュもポッポと光りを放つ。
あかねちゃんが、ルージュを好きな分だけ、
ルージュもあかねちゃんを愛するよ。
すごく、いい関係。
どこに行くにも一緒。
どんな時も傍にいる幸せ。
お茶の時間に、
あかねちゃんがティカップに口付けして、
ルージュは照れて赤く染まってしまう。
ルージュの勘違いは愉快だよん。
ルージュは時々、感じます。
あかねちゃんのルージュで
良かったと。
ルージュ自身も光っていたりして。

あかねちゃんのルージュ

あかねちゃんのルージュ

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-06-09

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