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山田

何が雪だるまだ。馬鹿げている。誰もがとけない夢を見て、伸ばした手のむなしさにうちひしがれる。愛そうとしたけど、だめだった。ひかることも知らないで、その深さに震えている。大きさも世界も、翔ぶことをやめたから忘れた。涼しい顔して嘘をついて、亮らかなその態度。平常心を装っているのバレバレだよ。だって、全部、ぜんぶ、嘘。嘘だよ。眠れない夜から夢が飛び出して、君の指先と揺れている。とどかないから諦めたのに、夢はいつまでもステージの上にしかないね。君が踊れば、私は幸せだけど、それを認めない誰かがバックステージで腕組みをしている。走りだした5月。あの人がくれた赤い衣装と、真夏日のナポレオン。巻いたハチマキが受け止める汗こそ、君の夢そのものだったね。ジグザグの恋と、わたしが待つ革命。なにが雪だるまだよ。愛している。どうして、純度100%の真実で倒せないんだ。それでも、君には奪えないよ。残念だったね。これが愛じゃないなら、夢なんか二度と見ない。



20160505

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-06-09

Copyrighted
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