落ちなーい
いざ行かん、ぷるぷるの世界へ。
わー、落ちなーい。
ここの名物、ぷるぷるプリン、ひっくり返してもあーら不思議、水の遠心力で落ちないんですねー。
そんなうたい文句につられ、暇だった私はそのぷるぷるプリン桃味、という微妙なセレクトをし、買った。
家に帰り、まずコロコロを絨毯にかけた。
昨日上司に言われた言葉。
荒木田さん、結婚しないのは個人の自由だけど、若いもんにツバつけるのはやめてくれないかな。
皆おびえてるよ、と言われ、私は我に返った。
仲良く話してるつもり、だったのだ。そんな、下心なんて、と私は憤り、憤るついでに泣いて見せ、見事部長を悪者に仕立て上げ、篭絡した。
転んでもただでは起きないのが私なのだ。
この間知恵袋にこのことを書き、私が悪いんでしょうか?と書くと、あなたが悪い、この年増女が、と来たので、ごめんなさい、書けないようなつらいこともあったけど、ちょっと強がっちゃったな、お目汚しでしたよね?と相手を見事貶めて、私はすっとした。
コロコロをかけ終わり、洗濯物を畳んだところで、私はプリンを用意した。皿にプルりと出してから、身構える。
いざ行かん、ぷるぷるの世界へ。
くるりとひっくり返すと、プリンはつるんと皿を滑り落ち、べちゃっと潰れた。
嘘ばっかり。と私は半泣きになった。
落ちなーい
テレビを見ていて。