アツが、夏い。

どんなに手を伸ばしても届かないような青色が広がる、今日この頃。
いつの間にか、桃色の花は緑色の葉に変わり、素肌を晒す人が多くなってきた。

キンキンに冷えたペットボトルの外側みたいに、
あたしの頬を滴り落ちる汗を手の甲で拭った。
季節はそう、夏に近づきつつある。
汗っかきのあたしには、夏に突入していなくてもこのザマである、電車とか人ごみとか暑すぎる。

インドア派のあたしからすれば、夏は出かけないことに限る。
汗はかくし、日焼けをしたくない。日焼けあとのお風呂とか絶対嫌だし。
何より、露出部分を増やさなければやっていけないところが嫌なのだ。
極力、長袖を着ていたい。100歩譲っても7分丈である。
日焼けしたくないって理由が9割。残りの1割は。

かさぶたがあるまま日焼けすると、かさぶたが取れた後、白く跡が残っている。
これは単にかさぶた部分が日焼けしていないからそのような状態になるのだけど、
そういう状態になりたくないはない。
怪我をしなければいい、なんて答えはない。
あたしは。怪我なんてしない。傷は、傷跡は、あたしの思うままに。
まあ、そんなことはどうでもいい。

とにもかくにも。
朝方4時には明るくなる窓の外をベッドの上から眺めるたびに、
夏なんて来なければいいのに...と思わずにはいられないのだ。

アツが、夏い。

アツが、夏い。

「暑い」って言うと「暑いって言うから暑くなるんだよ」という人、いますよね。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-06-05

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