迷彩風雅

考えるは、夢の境地。

まだその境地に至っていないのだと思う。

いるものがあるとしたら、終わらない文庫本が一つ。

中身はなんでも良いが、面白いものが良い。暗いのは好かぬ。
話が二転三転するものが良い。平坦ではつまらない。

食べ物の味がわかる本が良い。人物がたくさん出てくる本が良い。
後はごちゃごちゃとした四畳半。招き猫などあると良い。
またはカエルか、だるまが良い。写真集などあればいい。

ロンリネスなCDと映画のDVD、こちゃこちゃとあれば良い。

できれば猫か犬が欲しい。後は窓を開けると見える山などあればいい。

風光明媚、唯我独尊。
この世には一人だけ。私の城の出来上がり。

まさに夢見心地である。
そんな部屋を夢見ている。目の前にはアヒルさん。
ローラーの上を順々に流れていく。
延々と、続々と。

そのような天地に至るには、まだまだだと、アヒルに目をつけながら、マスクの下、思う。
白い手袋の下、カサついた手が滑る。目を床に取り落とした。

コロコロとそれは転がって、溝に消えた。
とある日曜日の妄想。

迷彩風雅

絵を描きながら。

迷彩風雅

ある日の妄想。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-06-04

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