迷彩風雅
考えるは、夢の境地。
まだその境地に至っていないのだと思う。
いるものがあるとしたら、終わらない文庫本が一つ。
中身はなんでも良いが、面白いものが良い。暗いのは好かぬ。
話が二転三転するものが良い。平坦ではつまらない。
食べ物の味がわかる本が良い。人物がたくさん出てくる本が良い。
後はごちゃごちゃとした四畳半。招き猫などあると良い。
またはカエルか、だるまが良い。写真集などあればいい。
ロンリネスなCDと映画のDVD、こちゃこちゃとあれば良い。
できれば猫か犬が欲しい。後は窓を開けると見える山などあればいい。
風光明媚、唯我独尊。
この世には一人だけ。私の城の出来上がり。
まさに夢見心地である。
そんな部屋を夢見ている。目の前にはアヒルさん。
ローラーの上を順々に流れていく。
延々と、続々と。
そのような天地に至るには、まだまだだと、アヒルに目をつけながら、マスクの下、思う。
白い手袋の下、カサついた手が滑る。目を床に取り落とした。
コロコロとそれは転がって、溝に消えた。
とある日曜日の妄想。
迷彩風雅
絵を描きながら。