シカブリーチョ
シカブリーチョに春は来るのだろうか?もし来るとしたら?彼はまだ生きているのだろうか?奇妙な符号がある。シカブリーチョ符号という名前が昔からついているが、シカブリーチョは関係ないと信じている。YとXをあわせたような符号。いや?記号?違いはよくわからないが、とにかくシカブリーチョに春はまだ来ていない。
猫が1人いる。誰かを見つめているが、誰を見つめているか、見当もつかない。巨大なサメのような目を光らせて、猫は2本足で歩き出した。「やあやあ」猫の声。鳴き声だ。「おうおう」壁の向こうから声がする。「つまり、君は人生における終着点にたどりついたのだね。結局君という人間は豪華なかかしのようなものだ。一つの土地に縛り付けられていた。そして、服を着せられていた。あのドングリ鼻の女にな。だからって意味のない、なんて言うなよ。だって、シカブリーチョはどこにもいないんだからな」猫は闇夜でどんどん話していく。進んでいく。壁の向こうの有話体は、なめらかな英語で答える。訳すと、こんな感じだ。「ほうほうほう。なぜなら、ドングリ鼻はどこにも行かないんだからな。結局かかしは、カラスの役にしか立たないというのに、なんだってあいつは、そうも信仰するかね。だからだよ。だから、シカブリーチョは消えたんだ」猫は途方に暮れて、帰っていく。次に、この壁の前に来るときは、きっと何人かの猫が死んでいると知っていたから、暗い気持ちだったのだ。逆に?君はどこから来たんだろうか?ある者が、誰かに問いかける中で、意識の漂白が起こる。知っているだろう。猫。「いやいやいや。あんたが知らないなら、私にも知りようがないさ。だからって、何もかも投げださんでくれよ」猫は陰気にためいきをつく。
幻影の都市がどこかにあると噂を聞いて、ナニエラという女が旅している。スカートの下に履いているものは?Nothing。まんこがたまに剥き出した。それは、ちょっと小さなウサギくらいなら食ってしまいかねない凶暴さだ。彼女の乳房は良く見ると、人工物である。ナニエラは昨日携帯テレビで見たカップ競争の盛り上がりを思い出して、泣きだした。興奮すると涙もろい女なのだ。その間にもまんこで、イカをたいらげる。チンチンと音がする。ベクトルが、北をさす。「来たね。来たね」ナニエラは猫に向かって話しかける。猫は何も答えず欠伸をかみころす。巨大な工作物でできた都市を見つけた2人は小さな指でおとぎそうを摘んだ。お花畑は一瞬にして、消えて、荒野が寒々と残った。愚かな犬たちが、ナニエラのメスに引き寄せられる。「ああいいんだな。ああいいんだな」犬たちは、そんなふうに吠えている。猫の口がどんどん大きくなって、犬たちを吸いこんでしまう。「むうむう」猫の吐息にナニエラは目を覚ます。「なんだよ。オナニーができないじゃないか」だからこそ、シカブリーチョがいるんだろう?「そうだ。そうだ」彼女は納得して、大きなハンマーを取り出して、都市を壊してしまう。後には、平坦な球体だけが残る。その球体をナニエラのまんこで、切り刻んでいく。お茶を飲む猫から、わさびをひったくる彼女に、雷が落ちて、いくらかの死が訪れるが、ナニエラは死なないんじゃないか?
変な体型だね。あいつが言った。あの女は俺のペニスをなでやがった。だからこそ静かな休息が訪れたんだろうな。「おい。君」通りすがりの人が声をかけてくる。「乳首が見えてるぞ」うるせえやい。乳首が見えたって、何になるんだよ。熱い虫が秘部に止まっても、俺は動じないぜ。結局、俺は負けたんだからな。負けは人の力を何倍にも高めてくれる。どこからともなく音がするな。風?秋?シカブリーチョ?宣伝?何でもなく彼らはどこかへ運び去っていく。へえへえ。だから、人々は信仰するのだな。邪魔な猫を1人殺したって、何でもないさ。いや?信頼だってかまうもんか!!よ~く考えてみろ。お前らは、セックスの虜なんだよ。結局、俺の彼女は、ナニエラという名前だったらしいが、壁の向こうからやってきたらしいな。とにかく壁の向こうは恐ろしいものが多いらしいぞ。何でも、1+1を数えるやつらばっかりらしい。日々、計算というものが行われて、日々考えというものが、形にされてるらしい。だから、あの女はまんこで食事していたんだな。専門用語ではヴァギナだと?知るか!とにかくあいつは性器のヒダで、美味しそうにシカブリーチョを食っていたよ。だからって、シカブリーチョが負ける??バカを言え。シカブリーチョは最強だ。そう俺のチンポと同じようにな。結局のところ、真実は壁の向こうにはなく、こちらにしかないんだよ。壁から離れた人間はみんなかかしになっているんだからな。「そうだろう?」どこからか笑い声がする。はさみが空に浮かんでいるときに、俺はつかもうとした。塩味が効いているぜ。猫のリゾットは美味しいらしいな。ナニエラ、どこだ?そこにいたか。ああ、お前の顔を見ていると、憎しみでバカになりそうだぜ。結局のところ、シカブリーチョは現れない。消えたんだ。壁の中に。向こうではないぜ。中だ。
念仏を唱える坊主たちの頭をシラミが這っている。かゆくとも。かゆくとも。声を出し続ける坊主たち。神は相談している。「あの不信心者をシカブリーチョに捧げるか?いや、まだ早い。もっと熟してからだ。なんだって、シラミどもは、坊主の念仏に聞き入ってやがるんだろうな。坂の底辺に四角い信号が置いてある。まだ涙を見せるな。いや、というより・・・・・・。おう」相談している相手は、もちろん女神だ。女神はタバコを吸っていたが、やがて、覚醒剤に手を伸ばす。いいか!!お前ら!!という声が聞こえたので、神が隣を見ると、壁が側にあった。動物園という看板がかかっている。あの向こうには何があるのだろうか?神と女神は小首をかしげてから、セックスを開始した。ペニスがヴァギナに入って、ゆっくりと動いた。「ほうほう」「ほうほう」2人の吐息はぴったりだ。やがて、2人は1人になって、形を壊しはじめる。壁が歪み、穴が開く。中から、混沌が入ってくる。「ああ。ここもダメだな」「そうだね」神だったものは、ふたつの頭でうなずきあう。そして、シカブリーチョがやってきた。
シカブリーチョ