きれいの後ろ

「私が起きなくなったらタンポポを棺に詰めてね、ふわふわしててきもちよさそう」

言葉通りタンポポを探し、しきつめた。
その上にそっと眠る身体を横たえると、綿毛がぶわっと、広がりきらきら輝いて空に飛んでいった。
陽のむこうに向かう綿毛を見つめ、こうやって命は続くのだと、純粋できれいだと感想を述べたあと屍の上に転がる人間の姿に笑顔は消えた。

きれいの後ろ

きれいの後ろ

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-05-28

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