台本 同じ屋根の下



ちょっと!
またトイレのドア開けっぱなしでしたよ! まったくもう。
いっつも開けっ放し脱ぎっぱなし置きっぱなし!
だらしないっちゃあらしませんよ


あ、しかもまたこんな時間からスナック菓子食べちゃって
晩御飯食べれなくなるの、わかってますよね?


料理も最近ずーっと僕に任せきりだし
先輩、カップラーメン以外に何か作れるものあるんですか?


ったく、もし僕がいなくなったらどうするんですか
簡単な料理くらい覚えてくださいって
何度も言ってるじゃないですか!
 

こんなんだからこの前の彼氏にもフられたんですよ、わかってます?


自覚してるんだったら、いい加減直したらどうですか
今は僕が先輩の家にいて、
身の回りのことぜーんぶやってあげてるから
ぐーたらぐーたらしていられるんですからね!
もっと感謝してくださいよ!


感謝してる? 
ほんとですか?
あやしいなあ……


というか、だいたい先輩の家に僕がいるってこと自体
めっちゃくちゃおかしいですからね!

付き合ってるわけでもないのに
年頃の男と女が同じ屋根の下に暮らしてるなんて
いやもうおかしい! おかしすぎる!

って、言ってるそばから隣で着替えないでくださいよ!


はあ……
あのさあ、先輩、僕のことなめてますよね? 
馬鹿にしてます?
どうせ手なんか出せやしないーって。


あんまり見くびられてると、僕むかついちゃうなあ、


(長くキスをする)


はあ、
これでわかった?
今はちゃんとキスで止められましたけど
理性飛んじゃったら、
先輩のことなんか、簡単に襲えちゃうんですよ


まったく、ちょっとキスされただけで力抜けちゃって
こんな感じやすいのに、よく僕の前で着替えたりできますねえほんと


先輩は僕のこと、なんとも思ってないかもしれませんけど
僕は、
僕はその
好きなんです


ずっと、好きなんです。
好きじゃない人の家に上がり込むと思いますか?
好きじゃない人に、毎日毎日ご飯作ると思いますか?
片づけたり、買い物いったり、すると思ってるんですか?


先輩は僕の気持ちにまったく気づいてないみたいでしたけど
抑えるのにいっぱいいっぱいで
先輩はいっつも余裕で、
僕ばっかり……


ッ、まあいいです
これからはちゃんと、危機感をもって生活してくださいね?
それと……
今晩は開けておいてください
先輩だって、そろそろ彼氏とわかれて二週間たつし
いろいろとつらいでしょう?


(軽くキスをする)


楽しみにしてるね。

台本 同じ屋根の下

台本 同じ屋根の下

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-05-27

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