シンフォギアワンドロ 2016.5/~

5/25 風鳴翼

五月二十五日、零時零分。様々な人から送られる祝いのメッセージで鳴り止まない携帯電話。その電源を落とし、私は仏壇に向かう。
鈴を鈴棒で三度打ち、二礼。そして手を合わせる。
合掌するときには、ただ両手を合わせるのではない。少しずらして合わせた両掌を、ぴたりと合わせるのだ。自分が神仏に添うように。と教えてくれたのは誰だったかな。などと考えながら、目を閉じた。

奏。
私は十九歳になったよ。あと一年もすれば成人だね。大人になったら一緒に飲もうって奏が司令の部屋から持ち出してきた日本酒、イギリスのこの部屋に置いてあるんだ。来年になったら、一緒に。
ああ、新しい仲間ができたんだ。ホムンクルスの子、エルフナイン。
余裕があるときに日本に戻れたら、奏のところにエルフナインも行かせるよ。彼女はお墓参りの作法知ってるかな、知らないで変なことしでかしても、笑って許してあげてね。
最後に一ついいかな、伝えたいことがあるんだ。謝罪は聞き飽きただろうし、私ももう言わないことにした。だから。
奏。貴女のお陰で、大切な人も、夢も、どんどん増えていく。死にたいといつも願っていた頃とは大違い。
ありがとう。これからもずっと、よろしくね。

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翼さん、奏さんに対しては未だにあの頃の口調でいてほしい
という願望。
かなつばはいいぞ。

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-05-25

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二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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