凍える

窓を開け夜風を部屋に招き入れる

月明かりが暗い部屋に影を作り
私は勢い良く布団の海に潜り込む

風邪を引くよ
そんな貴方の一言に逆らうように

頬にひんやりした空気を感じて
その心地よさが別れがたくて

いつの間にか眠りにつく私
窓を閉めるのは貴方の役目

守られていたことに気づいたのは
貴方が去ったあとだった

真夜中に目を覚ます
心地よかった空気が刃になる

眠りを切り裂く位置を変えた月明かり
眩しさが眠りを妨げる

静寂のなかに独りぼっち
その恐怖を今まで知らずにいた

もう一度…守ってくれる?

今度は言うことを聞くから
自分で窓を閉めるから

だから真夜中の恐怖から
私の目を塞いでいて

凍える

凍える

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-05-24

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