ラブレター

青春ラブコメです!

ラブレター

[古鐘京夜様、わたくし、2年5組の有井詩音と申します。わたくしは、あなたに一目惚れをしてしまいました。あぁ、あなた様の美しいお顔、お体、声、性格全てが美して愛おしくて仕方ありません。もしよろしければあなた様とお付き合いをしたいと考えております。ご検討よろしくお願いいたします。今日の放課後屋上で待ってます。]

朝、学校にきて下駄箱をあけたらそこにはラブレターが入っていた。やばい。おれ、どうしよう。嬉しいかも、これって人生初のラブレター。
有井詩音さん。素敵な名前だ。
「京夜ー?何見てんのー?」
「も、桃花!!なんだよ!急に現れてくんなよ!」
「別にいいでしょー?ん?なになに?ラブレター?古鐘京夜様」
「おい!こら勝手に読むな!」
「ラブレターじゃん。んー?誰から?」
「5組の有井さん」
桃花からラブレターを奪い返しながら、俺は焦っていた。
俺は、はっきり言ってこのバカ、沙耶音 桃花が好きだ。
そう思っていた。だけど有井さんという人からラブレターをもらって舞い上がっていますぐにでもOKの返事をしようとしていた。
あかん。
「有井さん?誰それ?」
桃花の一言で我に帰る、そうだ。有井さんって誰だよ、俺知らない人からのラブレターにOKしようとっ!?
俺の好みじゃなかったらどうしよう、
無理だ。俺のタイプは、ガサツでワイルドなゴリラみたいな女だ。
どうしても可憐な大和撫子は、苦手だ。ノリについてきてくれない人は苦手なんだよなぁ。
「有井詩音さんってどんな人なんだろう。」
「さぁね?可憐な大和撫子なんじゃない?」
「桃花ぁー!俺の苦手なタイプ知ってるだろ!」
「知ってるー!っていうか、そういうことじゃなくてこのラブレターの言葉遣いがどうもがさつでワイルドな女子が描くような文章じゃないよ?」
俺はもう一回ラブレターを読み返す。
確かになんだか今時珍しいタイプの女子って感じ。
「やばい!おれ、お断りをしに行かねば!」
「うん。それは、放課後ね。」
「はーい!」
でも俺は有井詩音さんが気になって、お昼休みに、2年5組の教室へ行った、だけど有井さんはたまたまいなかった。だけどなんの収穫もせずに帰るのはがらじゃない。なので、5組のみんなに有井さんのことをインタビューしてみた。
「有井さんねー、うーん、私はあまり話したことないけど、優等生って感じ〜、」
「あぁ、有井さんな、おれは、美人だと思うけど、」
「有井?あいつきもくね?不細工の代表みたいな顔してるよ?」
「有井ちゃんかぁ、うーん。なんていうのかな、天然というか不思議ちゃんというか、独特の世界観で生きてるって感じ〜!」
様々な意見が出て、まとまらなかった。だけど、天然だとか優等生だとかっていう意見は多かったなぁ。
確かにあのラブレターのかんじからして独特な世界観は持っていそうだった。
いろいろ考えながら、残りの授業も終えて、放課後に。

ー屋上ー

屋上には黒髪セミロングの女の子が立っていた。後ろ姿はとても綺麗だった。
おれは勇気を奮って声をかけてみた。
「有井さんですか?」
すると、その女の子は、後ろを向いたまま
「違うよ」
といった。その声は、どこか聞きなれたあいつの声とそっくりだった、
「あっ、すみません。あの、ここに有井詩音さんっていう方は来ましたか?」
と俺が聞くと、女の人は優しく
「来てますよ。」
と言う。後ろを向いたまま。
「あのー、見当たらないんですけどー。」
俺が、困ったように言うと女の人は勢いよく振り返って
「バーカ!有井詩音なんていないんだよー!」
と大声で叫ぶ。
そう叫んだは、俺の好きな人沙耶音 桃花。
「桃花っ!?いや、有井さんはいるって、5組に俺聞きに行ったし!」
「5組のみんなにお願いしたの!私が有井詩音という架空の名前を使って京夜に告白するから!5組ってことにしとくから!だからもし有井詩音について聞かれた適当に答えといてって。」
だからみんないうてることがバラバラだったのか。
「っていうか、なんでそんなまどろっこしい告白の仕方!もうちょっとあっただろ?他にいい告白。めんどくさいわ!つかあのラブレターもお前が書いたわけ?字が違いすぎてわかんねぇわ!ばかっ!」
「だって、自分で言うの恥ずかしかったもん。まどろっこしいほうが気持ちは楽だったもん、字はちょっとぐらい変えられるもん、」
「あっそ、つかお前、俺のこと好きだったの?」
「うっ!うるさいっ!!好きじゃない!」
「嘘だ!あんな告白しといて、」
あぁ、なんかもう幸せだなぁ。
「桃花。ありがとう。俺、桃花が好き。よかったら俺とお付き合いをして下さい!!」
俺は思いっきり勢いよく、頭をを下げて顔が赤くなってるけど気にせずに、手を差し出した、
そうしたら桃花が俺の手を握ってくれた。桃花の手は俺以上にあつくて、汗だくだった。
「バカ、」
桃花は小さく呟いて
「ありがとう。私も京夜のことが大好きです。うんう。愛してます。是非お付き合いをして下さい!」
顔を赤めながらゆっくりと言った。
「よろこんで!」
俺は、大きい声で叫んだ、桃花は泣きそうになりながら、微笑んでいた。あぁ、もう愛おしいなぁ。
俺は、その後、家に帰って手紙を書いた。それはもちろん桃花あてに。全くの偽名をつかってさ。
桃花にはすぐにバレちゃっだけどね?

[古鐘桃花様、わたくし2年3組の有井詩男です。
わたくしは以前からあなたのことが気になっていました。気になりすぎて朝も起きれません。あなた様の変顔、バカげた話、箸を忘れたからってお弁当を手づかみで食べる野生児のようなワイルドさ、たまに本当にイラッと来るけどそういうところが愛おしくてたまりません。責任とって下さい。
もしよければこれから先、2人で、ずっと一緒に笑いあっていたいです。切実に願ってます。あなた様もそういう気持ちがあれば、泣いて喜びまではしませんが、嬉しいです。どうかよろしくお願い致します。これから何年先でも構いません。いつか、お返事を頂ければ幸いです。 有井詩男]

ラブレター

ここまで読んでいただいてありがとうございます。
優愛です。
今回は、前回の<愛で溢れた世界>
とは違うかんじになったかなぁとおもいます。
ラブコメは書くのが楽しいので大好きです。
勝手にキャラが動いてくれるので私は何もしなけていいので楽です(笑)
私もこんな青春送りたいです(笑)
なかなかこういうことがないんですよね。高校生活に夢見すぎると痛い目見ちゃいますね(笑)
それではそろそろ終わりまーす!

これを読んでくだっさった皆様が幸せなことを願います。

優愛

ラブレター

ラブレターをテーマにした青春ラブコメです!

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-05-22

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