拙い願い

明日への微笑みに向けて

あなたが、わたしの
この頼りない手を包み
危うい脆弱な神経を爪弾き
流れた涙をぼんやり眺め
何も言わずただただ、あなたの心音だけでわたしの鼓膜を震わせてくれたのなら

明日も微笑むことができるでしょう

拙い願い

願わくば、あなたの熱に溶かされる氷になりたい

コップに入ったたくさんのそれらから、
どうか、わたしを選び、口に含み、

じわりと溶かしてほしい

そして、ゆっくりと飲み込んでほしい

たわいのない秘密

あなたと目が合うと一日中幸福でいられること
あなたと夢で会えると朝から笑顔でいられること
あなたと会話をすると、そのあとずっと顔が緩むこと

あなたに会えないと、心許なく寂しいこと
あなたの態度がそっけないと、上手く歩けないほど苦しいこと
あなたの目を見れないと、こわばった空気に耐えられないこと

あなたはぜんぶ知らない
こんなたわいのないこと、知らなくて、いい

拙い願い

拙い願い

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-05-22

Copyrighted
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  1. 明日への微笑みに向けて
  2. 拙い願い
  3. たわいのない秘密