拙い願い
明日への微笑みに向けて
あなたが、わたしの
この頼りない手を包み
危うい脆弱な神経を爪弾き
流れた涙をぼんやり眺め
何も言わずただただ、あなたの心音だけでわたしの鼓膜を震わせてくれたのなら
明日も微笑むことができるでしょう
拙い願い
願わくば、あなたの熱に溶かされる氷になりたい
コップに入ったたくさんのそれらから、
どうか、わたしを選び、口に含み、
じわりと溶かしてほしい
そして、ゆっくりと飲み込んでほしい
たわいのない秘密
あなたと目が合うと一日中幸福でいられること
あなたと夢で会えると朝から笑顔でいられること
あなたと会話をすると、そのあとずっと顔が緩むこと
あなたに会えないと、心許なく寂しいこと
あなたの態度がそっけないと、上手く歩けないほど苦しいこと
あなたの目を見れないと、こわばった空気に耐えられないこと
あなたはぜんぶ知らない
こんなたわいのないこと、知らなくて、いい
拙い願い