おとなとこどもとおとなとこども

そんなこと思ったって、私はピーターパンにはなれないから

おとながきらいだった。
こんな世界からきえちゃえばいいと思った青春だった。
そう、私は自分の中に哲学的要素をいくらも持ち込みたくて、この世界から乱れることを楽しんでいた。
私は人と交わることを拒み、仮面生活をしていたのだから。
でも、本当はどちらが仮面なのかも分からなくなってしまい、私はどちらかに支配されることを理解しようとは思わなかった。
私は、私の世界を謳歌することを楽しんでいたから。


私がこどもを捨ててしまったのは、いつだったのか。結局おとなの方が身動きが楽で、生きることに対しても好感をもつようになってしまったと思う。好きなものを手にいれて、誰からも文句を言われることもなく、自分のしたいことをしたいときにする。こんな幸せあるだろうか。また、私はもう一つの仮面をもつことによって、誰かに愛されたいと思うようになってしまった。そして、愛してみいたいと感じ始めていたのだ。

こどものときよりも、私は私の存在を大切にしている。こどもの時なんかよりも、劣等感を感じることが少なくなった。

でも、私は今の私が嫌いだった。
何も考えなくなった私。世界を夢みることも、他を知ることも、これからのことを考えること私はもうしない。
どんな人が好かれて、どうしたらもてて、どうやってあの人をふりむかせたいか 私の頭の中は、腐敗してしまったも同然だった。
哲学なんてものは、世界というものを考える私のあの目は、もうここにはないのだから。

私の体は残ったが、私の哲学は消えて行ってしまった。


仕方ないよね、だってこれがおとなだもん。
考えたって仕方がないこともたくさんあるし、私たちは毎日時間に追われている。
もう疲れている。何もかも完璧にこなさなくてはならないものが多すぎる。
私は、私でこれからを生きていかなければいけない。

もしも願いが叶うなら、もう少しかわいらしくて素直なこどもになっていたかった

おとなとこどもとおとなとこども

おとなとこどもとおとなとこども

おとなになるつもりなんてなく。 なんとなく、二十歳になったらもう消えちゃいたいと願望をもつようになりました。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-05-21

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