美しい娘
( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆
ある美しい娘が、旅をしておりました。
ある美しい娘が、旅をしておりました 。
ただ、この娘には、お金がなく、行き交う人達や、出会った者たちに、親切を求めて、生きています。
ある日、娘は、立派な造りの家を裕福だと見極めて、一夜の宿を願い出ました。
しかし、その家の住人は、やんわりと断りました。と、いうのも、いくら娘が美しいとはいえ、 あまりにも、 みっともない服装をしていたからです 。
娘は仕方なく、とぼとぼ歩き始めました。すると、古くて、小さな家があります。歩き続けて、くたびれかけていた娘は、仕方なくこの家を訪ねました 。
泊めてほしいと、娘が申し入れると、 昔は青年だった家の主は、娘が大層な器量良しなので、快く招き入れました 。
男は、来る日の為に、蓄えていた食べ物とブドウ酒を勧めました
。娘を酔わせてやろうと、よからぬ考えを持って、娘が食べたり飲んだりするのを眺めます。
娘は食卓に並べられた食べ物をペロリとすぐに平らげてしまいました。
ブドウ酒も1滴も残さず飲み干しました上に、男の分まで口にするのです。
それでもまだ足りないと、泣き出したので、男はなけなしの お金を全部持って 、酒と食料を買いに走ります。
しばらくすると、両手一杯に荷物を抱えて、男が帰って来ました。
娘は嬉しそうに飲んだり、食べたりしました。
その凄まじい勢いに、男は圧倒され、 よからぬ考えも、どこかに吹き飛んでしまいました。
娘の世話にヘトヘトになった男は、いつの間にか、眠り込んでしまいました 。
翌朝、目が覚めると、男の元には一片の娘が残したメッセージが握らされておりました。
『ご馳走さまでした。貧乏神より』
美しい娘